会社の近くにいる猫達に夕食をあげている人がいた。 紙皿に猫缶を出して「シロクロ」と「クロ」と「茶トラ」にあげていた。 けど、いつもあげに来ている人とは違う人だった。 「こんばんは」と声をかけてみる。 少し警戒しながら「こんばんは」と答えてくれた。 「猫かわいいですよね」と言うと「猫好きですか?」と聞かれた。 「はい、うちにもいますし」と答えた。 その人は猫を飼い始めたら、野良猫がかわいそうになってしまって 時々ご飯をあげに来ているらしい。 いつも来る人は曜日が決まっているらしく、その人の来ない曜日で 自分がこれる時だけ来ているとの事。 「地域の人が皆さん猫好きならいいんですけどね」と言っていた。 この地域は「迷惑なのでハトや猫に餌を上げないでください」と 張り紙がしてある。↑「この張り紙ですからねぇ」というと 寂しそうに微笑んだ。
このあたりは数年後に、猫がたむろしている建物のあたり一帯が 開発されてしまう。そのこともとても心配していた。 「茶トラ」は若そうだが「シロクロ」と「クロ」は年を取っているように 見える。 何とか寿命まで住み慣れたこのあたりで過ごせたらいいけれど 開発が始まってしまうと付近の建物も一回全部取り壊され 大々的な工事になってしまうと思う。
野良猫にとっては住みにくい町に違いない。
|