ず〜〜っと前に廉価で出ていたときに買って、本編が3時間近いのでためらって、 そのままず〜〜っと忘れていたのを見つけて、今夜やっとこさ見たのである。 (意外とこういう名作の定番を見ていないのである)
ほとんどムダを感じさせない、緊密に構成された映画だと思った。 あとで、撮影しながら台本が作られ、それも複数が常に作られ、 これといった台本が存在しないのだと知って、とても驚いた。 でも、日ごろ、多くの映画に余計な会話を感じてしまう身には、実に心地よい作品だった。
実はずっと長い間、この映画は大脱走成功痛快アクション映画だと思いこんでいた。 ところが、次々と脱走者が捕らえられて行く。まとめて銃殺もされる。 主演なのかどうなのか、筆頭出演者とでも言うべきマックィーンも捕らえられる。 250人脱走の予定が、76人しか逃亡できず、捕まらなかったのは3人だけ。。。 大脱走大成功痛快アクション映画を期待していた限りでは、何かつまらない結末。。。 ところが、ふと、映画の中に出ていた「後方を撹乱する」という言葉を思い出した。 何と浅はかな先入観を抱いてみていたことだろうか。。。 この映画を、ドイツの敗北へと後方から支援するための「偉大なる脱走」として見直すと、 実に感動的な戦争映画として、心に迫ってくるのである。 そういえば、最初の方に、「脱走は捕虜の任務だ」というような意味の台詞もあった。
どの物語を読んでも、どの映画を見ても、ゲシュタポの鉄壁を破るのは至難であるが、 それを承知で後方撹乱の使命を、国籍を越えて綿密に協力・遂行した物語。 ・・・このところ、美人女優追求志向が強かったけれど、 男ばかりの何の色気もない映画でも、これほど集中でき、感動できるのだった。。。
|