2001年10月14日(日) |
「ロングバケーション」 |
昨夜、市吹から帰ってビール1本飲み終えたときには久々に早寝の予感があったけれど、 ついちょっとだけのつもりでドラマを見始めたらやめられなくなって、 結局朝の5時過ぎに、やや暗い水色に染まり始めた空を眺めてから寝た。
昨日の昼の帰宅途中にレンタルに寄ったら、第2、3巻は借り出されて抜けてたけど、 とりあえず4〜6巻を確保しておくだけのつもりで借りておいた。 本当は1回分も飛ばして見るのが嫌いな性格のはずである。 テレビで放映時に連続ドラマを見たがらないのも、そのためである。 だから、2、3巻が借りられるまで取っておくつもりだったのである。 4回分もとばしてしまったらぜんぜん話が見えないだろうな、、、と思いつつ、 それでも、ついちょっとのつもりで第6話を見始めたらやめられなくなった。 瀬名が涼子に振られる場面から始まっている。 第1話で、女と2人連れで瀬名の部屋に何度も電話をかけていた男は、 てっきりその段階では逃げたアサクラかと思わせていたのに、南の弟だったらしい。 そして、涼子はその南の弟の真二に恋をしてしまったらしい。 たぶん第2〜5話は、大まかには、瀬名の涼子がいい感じに進行しかけながら、 南の弟である涼子の心を奪われてしまうという皮肉な経緯が描かれていたのだろう。
それにしても、最後の3話あたり、ちょいちょい半端でない泣かされよう。。。 これは「やまとなでしこ」以来の感触である。 ふと、タイトルの中に脚本家の名前を見たら、北川悦吏子だった。 数年前「素顔のままで」というドラマでさんざん泣かせてくれた人と同じではないか。。 ドラマの開始を花嫁姿で走らせていたので、最終回でもきっともう1度 智ちゃんを花嫁姿で走らせるに違いないと思っていたら、 微笑ましく走らせて幕を閉じたところもなかなかいい結末。 一眠りして起きた後も、いいドラマを見た後のいい感慨に包まれている。 第2話からもう1度見直したいと思うけれど、そんな時間が取れるかどうかは不安。。。
(つけ足し) 金曜日に第1話を見直していたのだが、本当によくできていると思った。 たとえば・・・
ある日、南は1日部屋にいて、瀬名との契約を破ってかかってきた電話に応対していた。 瀬名の留守中にかかった電話は、南に出てほしくなかったものばかりだった。 涼子からのはじめての電話、コンクールの落選の報告・・など。 瀬名としては、約束破りのためだけではない怒りが湧く。 ところか、口論の末、南が出ていこうとしたときに、 瀬名は南が転職用に書いた履歴書を見て、その日が南の誕生日だったことを知る。 南はそれまで誕生日には欠けることのなかったアサクラからの電話を待っていたのだ。 ・・・それで、それまで出しゃばりのお調子乗りとしか見えてなかった南の姿が一変する。 それだけでなく、昼間ぐったりとソファに寝そべっていた姿も意味深くなる。 すべては切なくはかない思いが実現しないつらさを帯びているのである。 「実はアサクラからの電話を待っている女」として見直してみると、 その一連の場面がそういう思いを秘めて演じられているのである。 呼び戻そうと弾く瀬名のピアノに呼び戻された南は、 「人前では弾かないんじゃなかったの?」とかわいげのない質問をする。 「誕生日とクリスマスは別」と瀬名が答える。 ちょうどその時電話がかかるが、この時視聴者は電話の主はアサクラだと思っている。 電話に出るのをためらう南を瀬名は強く促して、南は電話に飛びつく。 ・・・ここで静止画面になって第1話が終わるのだが、 この第1話でアサクラだと思いこまされていた人物は、どうやら南の弟だったらしい。 まだ第2話を見ていないので、この後どういう反応をするのかは知らない。
(さらに・・・) 夕方、第2、3巻も借りることができたので、第2話を見た。 ↓これはなかなかいいやりとりかもしれない。
南が映画「卒業」について、こう言い出す。 「逃げた方はけっこうドラマだけど、逃げられた方ってどうなったんだろうね」 長い沈黙の後、瀬名が言う。 「脇役にはスポットライト当たんないじゃん。。。。 脇役のことなんてカメラ追いかけないし。。。 鉄則だよ」 「映画の?」 「・・・人生の・・・」 そして、南の悲観的なセリフ。 「いつになったら出番が来るんだか。。。 何やってんだろ、私。。。」 「・・・こういうふうに考えんの、ダメかなぁ。・・・長〜〜い、お休み」 (これが、題名の意味だ。ドラマの終盤で瀬名がコンクールに挑むとき 僕の長い休暇を終わりにするのだと言っていた) 何やってもうまく行かないときはある。 「いつも走る必要ないと思うんだよね。神さまがくれたお休みだと思ってさぁ。 ムリに走らない。焦らない。がんばらない。自然に身を委ねる」 「そしたら・・・?」 「よくなる!」 「ホントに・・・?」 「たぶん!」 ここで智ちゃん(南)のさわやかな嬉しそうな笑顔だ。 「乾杯」「何で・・・?」「・・・なんとなく・・・」(嬉しそう。。。)
ちなみに、この翌朝、アサクラからの結婚報告ハガキが瀬名に届く。 瀬名は南に見せないようにするが、南は察して奪い取ろうとする。 もみ合っているうちにハガキは破れ、瀬名は敗れた片方を見せまいと、食べてしまう。 その努力にもかかわらず、南にとって絶望の朝になったことには変わりない。。。 この時の泣きようには、虚ろな雰囲気がある。
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