TENSEI塵語

2001年10月25日(木) 南に捧げる「Minami」

「ロンバケ」の最終回のコンクールの場面で瀬名が弾いた曲の入ったCDと楽譜を、
きょうやっと手に入れた。
楽譜の方は土曜日に「ロンバケ」ファンのBBSでヤマハから出ていると知ったので、
ヤマハのHPをたどって、かなり難儀して楽譜の情報にたどり着き、
そのまま注文して、宅配で送ってもらった。
CDの方は、火曜日の帰りにCD屋に寄って、曖昧に尋ねてみたら、
検索機で検索してくれて、曲名を頼りに1枚注文した。
その曲名の情報も、同じBBSのおかげである。

で、楽譜を見ながら数回聴いた。
ドラマの中では「HINATA Rhapsody No1 op.38」と紹介されるこの曲は、
CDや楽譜では「Minami」と南の名前になっている。
カデンツァ風の部分が多い曲だが、静かに切ないようなメロディーが2回入る。
この時に回想シーンが入り、演奏する瀬名の姿とそれを聴く南の顔が交互に映る。
そうして、この演奏は〈南のために〉弾いていることが強調され、
〈誰かのために〉弾くことができたおかげで、ブラヴォーと総立ちの拍手に迎えられ、
瀬名は、コンクールでの最優秀賞を受けることになる。

この、瀬名が〈誰かのために弾く〉というドラマの中に流れるモチーフは、
このドラマのもっとも嘘っぽいところでありながら、もっとも大切な要素である。
芸大の教授がそれを期待し、厳しいピアニストが瀬名の演奏にそれを感じたときに、
はじめて瀬名の演奏をほめたりする。
どうもここが無理な作り物のように感じさせるのである。
けれども、そうわかっていながらも、
ドラマの流れの中では感動させられて涙してしまうのである。
そうして、あの曲を画面なしでもじっくり聴いてみたいと願わせ、
CDや楽譜さえも求めさせてしまうわけである。


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