TENSEI塵語

2001年10月26日(金) ガラクタとの格闘

考査中に1度ざっとやった視聴覚室の備品点検を、きょうは念入りにやった。
こんな点検作業は、もう20年近く(あるいはそれ以上?)やってないに違いない。
視聴覚室保管品として登録されていない備品が20近く出てきた。
ひとつを除いて、もう今ではどうにも使いようのないものばかりである。
ちゃんと備品データに入っているものも、ひとつを除いて全部あった。
その内の10品ほどは、もうどうにも使いようのないものばかりである。
昔のものだけに、やたらと大ぶりで重た〜〜いものが多い。
それらをロッカーの中から引きずり出して、シールの番号を確かめるのである。
そのまま棄ててしまえばそれっきりになって平和なはずだけれど、
一応手続きが必要だし、そのまますぐにというわけにはいかないので、またそれを不自然な姿勢で持ち上げて、ロッカーに押し戻さねばならない。
そんな重労働の合間に、点検簿に書き込みをして行った。。。

何しろ、8ミリ映写機だけでも数台ある。
スライド映写機も3台ほど出てきたが、最近でも稀に使っている1台に比べて、
実にいかめしい風体をしている上に、2、3倍も重いものばかり。。。
見たことないような映画撮影機なんてのも出てくるし、アンプ内蔵スピーカーなども。。

実は、こういうのを引っ張り出してみては、何となく胸がときめくのである。
古きよき時代の遺物。。。
こんなこともできるのか、、、と斬新な驚きをもって迎えられた往年の利器。。。
私がまだ子どもだったころ、雑誌の付録に幻灯機なるものがあって、
紙で組み立てて、絵が描かれたセロファンのようなものを差し込んで、
裏から懐中電灯を突っ込んで壁に映して遊んだ、あの胸がときめく時間を思い出す。
そうして、あのころ、ちゃんとした機械の幻灯機だとか映写機などは、
恐るべき文明の象徴に思われて、父が町内の行事のために借りてきたりすると、
何と親父は偉い人なんだろうと感心しないではいられないほどだった。

それが今では、残骸のように目につかぬところに押し込まれ、
私にとっても、無駄な労力を強いるためにだけ存在する邪魔者でしかない。
けれども、あの数々の古臭い姿は、何となく郷愁をそそり、胸ときめかせるのである。
これらは、邪魔者に過ぎないけれど、棄てるには忍びない。
何かの折りに一部屋に陳列して、展示会を催したいほどである。
「映像機器の昔と今」とでも題して、その変遷を偲びたいところである。

そういう思いは容易には捨てられないけれど、
こんな煩雑な仕事を、後に引き継いでくれる図書主任に残すわけにもいかない。
こういう点検作業は、どう考えても余計な仕事である。
現に使っている機器だけをチェックすればそれで十分なはずである。
やっぱり、今年度中に廃棄するに越したことはない。
ガラクタはそういう備品だけでなく、はぐれた部品や付属品もある。
ちぎれたコードや、ぐちゃぐちゃに巻かれた昔のレコーディングテープなども
大事そうに放置されているのが、学校という建物の大奥の実態なのである。
今までさほど気づかないでいたけれど、今回、その杜撰さを痛感してしまった。
今年度中に何とかすっきり処分して、快適空間を作りたいものである。
次の図書主任になるはずの北さんか橋本さんのためにも。。。


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