2001年11月17日(土) |
「死国」を読み終えた |
きょうは、学校全体を文化会館に移動して、講演会で午前中が終わった。 私の仕事は、講演前に紹介ビデオ等をスクリーンに映し出す仕事である。 とんでもない故障があっては困るが、まあ概して楽な仕事である。 終わってから同僚たちとゆっくり昼食をとって、学校に戻った。 夕方には市吹に行かねばならないので、それまで時間を潰すことになる。 橋本・北の両名が昼食を終えて職員室でしゃべっていたので、 そこに割り込ませてもらって、かなり長いこと雑談を楽しませてもらった。 最近は「ロンバケ3択クイズ」に熱中していて何も書けない話をしたら、 北さんからぼろくそにバカにされてしまった。 彼らが帰ってしまい、授業の準備を簡単にすませ、市吹の楽譜の準備をしてから、 まだ時間があったので、「死国」の続きを読み始めた。
こういう本は苦手なので、家に帰ってから自室で読みたい本ではない。 昼間に、職員室で、休憩時間に時々読み継いできたのだった。 結局、夕食のために寄ったいつもの喫茶店で夢中で読み終えた。
この作品は「四国は死国である」というモチーフの下に、 古事記等の伝承、敬虔な信仰、狂信的な信仰、心霊現象等、 そして愛とか罪というものを、実に緻密に融合させた怪異小説である。 けれども、ばかげた作り物の怪異現象という印象を少しも与えない。 真ん中あたりまで読んだ時点でもつくづく感じたことだが、 本当に少しずつ少しずつ、じわじわと不思議の世界に入り込んで行くのである。 「リング」3部作はこれより夢中で読んだけれど、 こういううまさを感じさせてはくれなかった。 最後にヴァーチャルな世界のできごとだということになってほっとしたほどである。 この「死国」はそういう意味でかなり格調高い作品だと思う。
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