2月10日に市吹が合唱と合同演奏をやらなきゃいけない関係で、 今朝はその合唱の練習場に見学に行った。 楽譜の違いや、テンポ・表現の違いで著しいところがあるならば、 来週の合同練習の前に修正しておく方がいいので。。。 それで、午前中に岩倉まで行って昼過ぎに帰り、 夕方また市吹の練習で岩倉に行って、深夜に帰ったわけである。 それは実にめんどうなことだけれど、 あとで焦りまくるよりはうんとトクなのである。
昼過ぎの帰り道、どこで昼食をとろうかなと迷った揚げ句に、 結局吉野家に寄ることにした。 大学時代から、もう四半世紀に渡る吉野家ファンなのである。 この店が廃れては困るので、できるだけ行かねばならない。 ・・・などと心配する必要は全くなかったのである。 私の前を走っていた車が2台、その店の駐車場に入った。 一方は食べる客で、一方は弁当を買って帰る客だったから、仲間ではない。 駐車場には車が並んでいた。 店の中は8割ほどの席が客で埋まっていて、弁当待ちが3人立っていた。 しばらくすると、店の入り口に立って待つ人が数人たまるようにさえなった。
安い牛丼を食べさせる店ができたために値下げを余儀なくされ、 ちょうどそのタイミングを計ったかのように狂牛病騒動が起こり、 吉野家をつぶすべく世の中が動いていたかに思われたが、 このたくましさには感心するしかないようだ。 店内の風景も、以前とはかなり違っているところがある。 家族連れや、若いカップルが増えている点である。
先週日曜日の新聞に、この吉野家のことが書かれていた。 値下げ前は客数も減っていた。 客が減るということは売り上げが減るだけでなく、 味が落ちる、800〜1200食だと1番うまい、という。 それは、ある程度の売り上げがないといい食材が得られなくなるという 意味なのだろうけど、商品の回転の問題でもあるのだろう。 以前、稀に、煮詰まって辛くなりすぎた牛丼を食べさせられたことがある。 あの時は、同じ吉野家でも、ここにはもう来ないぞ、と思ったものである。 客の入りの悪かった某ハンバーガー屋で買って食べたら、 中味が干からびているようで、やっぱりマックじゃないとダメだと思ったものだ。 そのマックは、ある程度の時間がたったら捨ててしまう、 捨てる分が最小限に抑えられるよう、状況を見て計算して指示するのが、 各店長の務めである、という新聞記事も2、3年前に読んだことがある。 こういう商売の奥の深さは、単なる消費者の想像を絶する次元のものである。 牛丼の値段を400円から280円に下げたときの試算にも驚く。 290円にすると、来客数は30%増え、利益も確保できる。 270円だと、来客数は45%増えるけれど、利益はたぶん減る。 280円だと、客数は40%増えるけれど、 仕事のやり方を抜本的に改めないと利益が出ない。 そうして、280円に決め、仕事のやり方や食材の求め方を工夫した、という。
こんな簡単な新聞記事からも、商売の奥の深さを感じさせられるし、 こういう企画を任され、決定する人の心情はどれほどのものであろうかと、 きょうはそんなことも思いながら、久々の牛丼の味を噛みしめたのであった。
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