TENSEI塵語

2002年02月03日(日) ますますホームドラマ

先週「桶狭間の奇跡」の描き方に落胆した「利家とまつ」だが、
きょうの第5話は、利久の妻つねの登場もあり、それぞれの祝言の話も盛り上がり、
ますますホームドラマの色が濃くなってきた。
私のように、最初の回から「まつのホームドラマ」として見ようと決めた者には、
ますます緊張が取れて菜々子さまらしさの表れたまつを見るのが楽しいけれど、
歴史ドラマファンや橋本さんなどは、そろそろ見切りをつけ始めるかもしれない。
私などは、まつが足立六兵衛の話を聞いて「私決めました」と言うあたりや、
つねのことを「あの女はダメです!」といってすねたような顔をしているところとか、
成政夫婦の前で「私おじゃまでしょうか、、、」と言ってみせたり、
利家が立てる予定の手柄を聞きたがる成政に「いいえ、教えませぬ」と
両手を口にあてる表情など、もう菜々子さまの魅力満載で、
録画していたビデオを巻き戻して、最初の方だけ見直したほどである。

それにしても、あれだけは歴史ドラマとしてもいい場面だった。
信長が成政の祝言に使うようにと、まつに金を授けにやって来る。
桶狭間の留守中に、勝つと信じて皆を勇気づけた褒美だという。
けれどもまつは、褒美は利家が足立六兵衛を討ってから頂戴するときっぱりいう。
果たせなかったら腹を切らねばならぬぞ、と信長がたしなめると、
果たせなかったら利家に腹を切らせるとまで言う。
「自分より弱い人の首をいくつ取ったところで、それは殺生にござりまする。
 武士は殺生をするものではござりませぬ。戦は、世のため、人のためにござりまする」
そして、利家が六兵衛を討つ宣言と、その褒美をきっぱりと要求する。
おもわず、吹いたな、まつ、、、と信長がつぶやく。
「妻も命がけにございます!」

まつの菜々子さまはいいところばかりだけれど(第1話ではちょっと硬かったけど)、
利家に今ひとつ魅力が漂ってこないのがもの足りない。
放映前のスタジオパークに唐沢クンが出てきたときには、
なかなか鷹揚な、座長らしい貫禄を感じさせられて、ドラマも楽しみだったのだが、
ドラマが始まってみると、イメージダウンの感がある。
感情をむき出しにするようなところは、利家役として大事なところだろうが、
ここではそこまで感動しなくてもいいのではないか、というようなところで、
妙に感じ入ったり泣いてみせたりしている。
表情はもうちょっと微妙でよい、画面アップの多いテレビドラマなんだから。
大げさに感じられてしまうと、かえって演技の小ささとして印象づけられてしまうものだ。
利家の存在感がもうちょっと増さないと、
ますますこのドラマは歴史ドラマとしてのおもしろさを失ってしまう。

まあ、私にとってはぜんぜんかまわないことだけど。。。
最初から、「菜々まつさま物語」でしかないのだから。


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