TENSEI塵語

2002年03月17日(日) 定演終わる

12回目のまあまあ慣れたイヴェントとはいえ、やはり緊張を避けられないのは、
この2時間は1回きりだ、これっきりだ、1発勝負だ、という思いのためだろう。
1年間の活動のすべてではないにしても、その総まとめにあたるわけだし、
うまくいかなかった分は、後でちょっとやり直し、というわけにもいかない。
演劇公演も演奏会も、このあたりの緊張感がたまらない魅力なのである。
常に崖っぷちにいて、一瞬先に何が起こるかわからないようなスリルがある。
もっとも、ステージの上でそんなことをいつも考えているわけではなくて、
ステージに立てば、音楽の流れに集中できることだけが課題なのだけれど。。。

それにしても、連日のハードワークの後に、昨夜ときょうの午前中のリハで、
昼ごろには足が痛くてしょうがなくて、まともに歩けなくなっていた。
2時間弱の昼休みの間に、靴を脱ぎマッサージして、何とか少し回復した。
寝不足も続いているし、体のあちこちがこっていて、どうも具合悪い。
リハの時に、スコアではどうなっていたかよくわからないところが3カ所あって、
そこを確かめたり(というのは、最初の2曲以外は、スコアを見ないで、
邪魔なばかでかい譜面台をとっぱらって振りたかったので)、
リハの時にまずかったところをパートごとに回って打ち合わせしたり、
直前までこれだけ課題を抱えて迎えた定演も初めてのような気がする。

しかし、最大の失敗は、いよいよ開演で私が出て行くときに、
出たすぐの譜面台にちょっと肘が触れて、それが倒れ、その隣の譜面台も倒れ、
出鼻をくじかれたことだった。
もともと人数の割りに舞台が狭くて毎年悩みの種なのだが、
きょう、出て行く前に、何となく通路が狭い感じがした。
でも、リハの時には通れたので大丈夫だろうと思って普通に歩いたら引っかかった。
後で聞くと、その席の奏者はリハの時にはマネージメントに飛び回っていて
席にいなかったので、譜面台が下げてあったのだそうである。
思わぬところにトラブルの罠が待っているものである。
いっそのこと来年は、ドミノ倒しのように全部の譜面台が倒れるパフォーマンスを
取り入れてやろうか、と思った。
・・・もうひとつ、2曲目の途中で、指揮台から落ちそうになってヒヤリとした。
スコアを見ながら振るという珍しいことをやるから、位置感覚がつかみにくかった。
どうもきょうは私の厄日だったらしい。

打ち上げから駅近くのホテルに帰って横になったら、すーーっと眠りに入った。
2時間ほどで、ふっと目が覚めてしまった。
ひどい疲れと、何となく冷めきれないでいる興奮が混在しているのだろう。
外泊の時には、ちゃんとウイスキーの小瓶とノートPCを持っているので、
飲み直しながら、ノートにケータイをつないで、ネット散歩もできるのである。


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