TENSEI塵語

2002年04月03日(水) YOSHIKI が復活する?(1)

X JAPAN を聞くようになったのは、たぶん10年前か11年前だ。
その年から、卒業式で吹奏楽部が卒業生の入・退場時の演奏をすることになった。
入場の曲を何にしようかと生徒に相談したら、Xの「Say Anything」と言う生徒がいた。
その時私はまだそのバンドのことをよく知らなくて、
男のクセに厚化粧してカラフルな髪の色にして、見た目も刺激的に、
そして音楽も刺激的なやかましい演奏をして熱狂でごまかしているバンドだと思っていた。
でも、その「Say Anything」はバラード系なんだと言う。
とにかくその生徒にCDを借りて聞いてみたら、心動いてしまったのである。
とにかく、最初心洗われるような(月並みな音楽という感じもしたけれど)
ストリングスの前奏で始まり、ピアノ伴奏でのボーカルに入り、
ドラムスに導かれてロックの音楽に入って行くが、なかなかきれいな曲である。
次に、その生徒がロックバンド用のスコアを持ってきたので、編曲を始めた。
編曲といっても、そのスコアから吹奏楽の各楽器に音符を割り当てるだけである。

それからX JAPAN のバラードの新譜を楽しみにするようになった。
「Tears」「Longing〜途切れたメロディー」「Forever Love」も
発表されるとその年には編曲して、卒業式の入場曲にし、
そのメロディーを演奏して楽しんだものだ。

で、このリーダーのYOSHIKI というのは、いったいどういう奴だ、
という疑問が、さまざまに湧き出てくるわけである。
いろいろ曲を聴いていると、それはみんなロックに分類される音楽なのに、
クラッシックを勉強してきたとしか思われない。
けれども、どう見てもあの風貌からはそれが確信できないのである。
ピアノも確かにうまいけど、ドラムが実にうまい、
そしてあの塗りたくった顔と、ちょっと締まりのないような頼りなげな顔。。。
強烈な主張を持っていそうで、それほどでもないような中途半端な印象。。。
趣味的に、クラッシック情緒を取り入れているだけかなと、
しばらくはその程度の解釈で済ませていたのだが、
9年前に発売された「ART OF LIFE」を聞き直してみると、
ロック一辺倒の音楽家が作れるような交響詩とはとても思われない。
さらに、6年前のアルバム「DAHLIA」に至って、ますますただ者でないと。。。
このアルバムのストリングス伴奏のみで構成した「Forever Love」もすごいが、
ピアノ伴奏とボーカルの「CRUCIFY MY LOVE」は、おそらくYOSHIKI の最高傑作、
世界にも通用する名曲である。
アップテンポのいわゆるロック調の「DAHLIA」「Rusty Nail」など聞いても、
とても生半可な音楽感性では作れないような入念な曲である。
彼は実に謎に包まれた男だった。

そのYOSHIKI が、テレビでごく普通にインタビューに答えるのをはじめて見た。
NHKの「わたしはあきらめない」という新番組の第1回に登場したのである。

(長い前置きから本題に入ったところで、明日に続く、としよう)


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