TENSEI塵語

2002年05月25日(土) 読めず、話せず、書けず、、

昨日の続きで、きょうは3日目の3年生の英語の試験についてである。
この英語のテストは、前置詞と関係詞の使い方の問題が並んでいた。
ほとんどが、スラッと出てくるか、確かこうだった、と答えられるような問題で、
大半が中学英語の範囲にあるような気がした。
けれども、机間を回りながら生徒の答案をのぞいてみると、いろいろ違っていて、
自分のもかなり怪しいんじゃないかと不安になるほどである。
でも、テスト勉強をしっかりしてそうな女子の答案を2、3のぞいてみると、
私の答と大方似ていたので、それでようやく安心するという具合である。

前置詞などを3択で選んだり、空欄に補ったりする問題が多いのだが、
明らかに、何でそんなの選ぶかなぁ、何でそんなの入れるかなぁ、の
連続であるような答案もいくつかある。
空白だらけで、なかなか埋まらない答案もある。
口で何度も唱えておけば、理屈の説明も頭にきちっと納まるだろうに、
英文自体を体に取り込もうとしないから、先生の説明も何の意味もなくなる。
いずれにしても、この程度の英語は、高校でわざわざ苦労しなくても、
中学の教科書を暗唱するくらい口慣らししていればかなりできるはずである。

何年前だったか忘れたけれど、英語の成績が中くらいよりもちょっと上の子で、
もっと英語ができるようになりたいというので、
まず、教科書の文章を丸暗記するくらい何回も読んだら? と奨めたら、
発音のわからない言葉がいくつもあって読めないのだと言う。
中学時代も、ほとんど自分で読んだことがないのだと言う。
テストがぼろくそでない程度にできるのは、先生から「覚えてきなさい」と
言われたところを覚えて行くからできるだけで、
もしもそんな指示でも出なかったら、もう次にはできなくなっていそうである。

日本の英語教育では、個々の生徒が英語を口にする機会が少なすぎる。
教室の中に40人もいては、どうしようもないのは確かである。
こんな大人数を前にしたら、実用英会話の練習などは困難を極める。
当然、教師としては、多くの場合に共通する原理を説明することによって、
1度に多くを理解させられるよう努めたくなる。
けれども、言語構造が日本語とはまったく異質なのに、
説明とささやかな練習(ほとんどが文字による)で理解できるものか。


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