TENSEI塵語

2002年05月31日(金) 代打ヒーローに思う

きょうの対広島戦は先発黒田をなかなか打てず、2対2で延長戦に入った。
10回ウラ、阿部がヒットで出、後藤の送りバントを黒田が二塁封殺しようとして、
それが悪送球となって、ランナー1、3塁となった。
続く清水は敬遠で、1死満塁となり、清原が代打で登場した。
まだ清水の敬遠の真っ最中なのに、ウエイティングサークルに現れただけで大歓声である。
復帰後の清原は、何度か代打で大事な場面で登場しているけれど、三振が多い。
大歓声に迎えられて得点のチャンスに出ながらも、
1度もバットを振らないままストライク3つで終わったこともある。
決して手放しで期待を寄せられない状況ながら、相変わらずすごい声援である。
そしてゲームは清原の初球ひと振りで決まった。
最近の清原を見ていた者からすると、当たった!!という感じだった。
センターが追いかけてあきらめ、フェンス手前に打球が落ちた。
選手たちも大騒ぎだし、ファンとしても先日とは対照的に顔がほころんでしょうがない。

で、清原お立ち台となるわけだが、当然のことと認めながらも、ふと思う。
清原がバッターボックスにいたのは1分もない。たった1回バットを振っただけ。。。
3時間以上もの間、打ち、走り、守りして表舞台で働いていた選手が舞台裏へ押しやられ、
10回までひとりで投げ抜いて、圧倒的な好投を続けていた投手が、
塁への送球でコントロールミスをし、清原への1球で敗戦投手となる。
それまで舞台裏にいた選手が最後の1分に表舞台に登場して、瞬時にヒーローとなる。
勝負の世界というものは、こういう明暗が露骨に現れるものだ。
ただ、この場合大切なことは、控えの選手もベンチでともに試合に参加しているのだ、
という目を忘れないことであろう。


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