今夜は、階下に住む義父母の食卓で、年に1回の6人での会食だった。 同じ屋根の下にいながら年に1回というのは、そう取り決めをしたわけでなく、 なーんとなくそんな風な慣例となっているのである。 で、大体正月の3日と決まっていて、食卓に並ぶのも、 義父の選んだ店からとった寿司とおせち料理、と決まっている。
その中に、寿司屋からとったとは思えないバッテラがあるので、聞いてみると、 ある旅館のおかみさんからのいただきもので、松前寿司だと言っていたそうである。 たしか、去年もあったと思い出して、何やら日ごろ食べ慣れているバッテラと違い、 (私は、しめさばとバッテラが、刺身や寿司の中でもっとも好きである) 飯も硬くぽろぽろした感じで、鯖もしめすぎてあるような感じだった。 早い話が、バッテラと言うには、あんまりうまいものではないのである。 松前寿司とバッテラは違うのかどうかという疑問も起こったが、 話題は、なんでバッテラというんだろう、というところに進んだ。 義父が、オランダ語かなんかだぞ、カステラ、バッテラはオランダ語だ、 と言いだした。これは彼の単なる憶測に過ぎない。 寿司の名前なんぞに、オランダ語を使うものかな、と疑問に思って、 食事が終わってから検索して調べてみた。
明治27、8年ころ、大阪の順慶町に開業した「鮓常」という寿司屋が、 店の看板となる寿司ネタとして、二枚おろしのコノシロを使い始めた。 銀しゃりの上でピーンとしっぽを振るコノシロの姿に、 ひいき客のひとりが、バッテラ(オランダ語で舟、ボートの意)とあだ名をつけた。 やがてコノシロが値上がり、安値の鯖を材料に使うようになり、 生臭さを消すために昆布を上にのせるようになった。 見栄えをよくするために白板昆布を使うようになって、今の姿になったようだ。
う〜ん、なーるほど、、、おもしろいものである。 義父の当てずっぽうが、ズバリ当たったわけである(オランダ語ということだけだが)。 で、次なる問題は、松前寿司とバッテラの違いだが、これがわからない。 上に要約した説明文の末尾にも、「今では大阪を代表する松前寿司となって、 広く一般大衆に好まれる食べ物となっている」と書かれている。 他を検索してみても、説明してあるものは「松前寿司、つまりバッテラ」のように、 同じものとしてさりげなく済ませているものばかりである。 ところが、実にたくさん検索されるお店のメニューでは、両者は別物で、 値段も、たとえば、バッテラが400円、松前寿司が1500円、というように、 1000円前後違うのが普通である。 義母が松前寿司と言われてもらったときも、きょう食べてはダメ、もう少し置いて、 明日以降に食べるようにしなきゃダメ、と細かいこだわり付きだったという。 もともとは同じものだが、寿司屋や料亭での製法上の区別ということだろうか。。。 また機会あるときの課題としよう。
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