TENSEI塵語

2008年12月03日(水) 「クラシック」の意味

クラシック音楽って、何でそう言うのか疑問に思うたびに、
一応、古典的伝統に沿った音楽、くらいの意味ですませていた。

今道友信氏の「ダンテの神曲」についての講演を見られるサイトがあって
その講演を見始めてみたら、その「序」で、
「クラシック」という語のそもそもの意味を説明していて、
これがとてもおもしろかったので、ちょっとメモしておく。

もともとの語は「クラシス=艦隊」なのだと言う。
で、「ローマの危機に際して軍艦を寄付できる人」を
「クラシックス」と呼んだそうである。
ちなみに、ローマの危機に際して子ども(プロレー)しか出せない人を
「プロレタリウス」と呼んだ。
「クラシックス」は「ローマの危機に際して軍艦を寄付できる人」、
それが「人生の危機に際して精神に力を与えるような書物や芸術」を
さして使われるようになった。

そういう書物なり芸術なりは、後世になると、
古くから大事にされてきたものになるので「古典的」と呼ばれる。
ちなみに、私の名前にも使われている「典」の字は、
文机の上に巻物が2本載っている図である。
文机の上に置かれて大事に読まれる書物の意味なんだそうである。

「古典から、我々ひとりひとりの人生にとって意味あるものを
 つかみとっていく」ことが大切、というまとめであった。


続いて「ヒューマニズム」という語の解説があった。
もともとの「フマニスムス」とは「フマーヌス」であることを、
他の動物と区別して強調することなのだと言う。
例えばそれは「言語を使う」ということである。
だから「ヒューマニズム」で大切なのは「言語的」であること。
「フマニスムス」は「古典研究を通じて言語を学ぶこと」。。。

「humanism」を辞書で引いてみたら、確かに、
「(古代)ギリシア・ラテン語(文学・思想)研究」
という意味が書いてあるなぁ。。
でも、こちらの話は、ほとんど全面的に忘れていたけれど、
学生時代にちょっと聞いたような気がしないでもない。


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