TENSEI塵語

2008年12月11日(木) 人員削減しかないのか?

リストラという言葉は「解雇」を意味する言葉ではないのだけれど、
日本では「解雇」「クビ」の代わりに使われることしばしばなので、
9日の夕刊で「ビッグ3にリストラ義務」の見出しを見て読み始めた時、
議会が失業者を大量に産み出せ、と命じるわけ? と思ったのだが、
よくよく読むと、人員削減せよ、とだけ言っているわけではなさそうで、
さぁ、どういう形でリストラをやらせるのかな、と、
今後の成り行きを見守りたい気分になった。

そうしたら、翌日の朝刊のトップは、ソニーの人員削減計画である。
正社員8千人と、非正社員8千人を解雇する予定だと言う。
とりあえず、まず1社が早々に大量の人員削減を発表したわけだけど、
1社にとどまるはずがない。

最近すでにあちこちで解雇された非正規労働者たちが、
訴訟を起こしたり、労働組合を結成して抗議行動を起こしたりしている。
今クビになるというのは、たいへんなことである。
どこも賃金出費を減らしたがっているから、求人なんてしない、
解雇されてしまった後に希望が見えない。

先日、麻生首相が経済界の人たちを集めて、雇用促進を訴えていた。
しかし、売れなくなったら作るわけにもいかないだろうし、
仕事が減って遊ばせるしかなくなるとしたら、
賃金支払うわけにもいかないだろう。
雇用しろ、って言われてもねぇ、、、と企業側は思うだろう。

実際問題、企業の台所事情なんて私にはまったくわからない。
今までが儲けすぎていて、最近は普通になったんじゃないの?
という疑いさえ抱いている。
もしも、一挙に損が来たのだとしたら、
今まで余計な投資をして余計に儲けてた反動なんじゃないの?
なんていう疑いさえ抱いている。

いずれにしても、まず最初にすべきなのはクビ切りよりも、
企業幹部の節制だろう。
ビッグ3の社長たちが専用ジェット機の使用を非難されたり、
自分たちのボーナスを1ドルにするとか言ったりしていたが、
人件費を減らす第一は、社長はじめ幹部クラスの報酬を最低賃金に。
今までの貯えもあるだろうから、余裕で暮らして行けるでしょう。
それから、さまざまな無駄な経費を見直して。。。

その上で、さらに必要な分は、人員削減でなく、
ワークシェアリング的な解決ができないのかなぁ、と思う。

ソニーの人員削減計画は、全正社員16万人の10%の人数である。
(正社員だけの人数だったら5%である)
単純な言い方をすれば、40時間労働だったのを36時間労働にして、
(週5日労働を、週4日半の労働にして)給料を10%減らす。。
ついでに、サービス残業なんてものも解消してしまう。

事はそう単純じゃないだろうから、
実際どういう形になるのかわからないのだけれど、
一部の社員を放り出して地獄を見せるのでなく、
会社の危機はみんなで分け合って乗り越えよう、という発想で、
労働時間も給料もしばらくの間は分け合おう、という、、、
こういう考え方はいけないのだろうか?


 < 過去  INDEX  未来 >


TENSEI [MAIL]