TENSEI塵語

2008年12月30日(火) 平和が遠い、、

年末の挨拶「よいお年をお迎えください」も、
年始の挨拶「よい年でありますように」もしらじらしくなった。
自分のまわりはとりあえずいつもと変わらず平穏無事にしても、
どう見ても悪いことだらけの世情ではないか。

弱肉強食の経済政策を推し進めてきた結果として、
大量の失業者、宿無し人が出て、とてもよい年は迎えられそうにない。
「負け組だろ。自己責任だよ。勝ちゃよかったんだ」
という、K元首相の声が聞こえるような気がする。
非正規社員の解雇問題について、与党があまり熱心でなかったのは、
こういう意識が蔓延しているからではないのか、と思ってしまう。
低賃金で企業の儲けを上げるために雇われた人たちだから、
おそらく蓄えなんてほとんどないのだろう。
構造改革は国内を(というかアメリカまで含んで)戦争状態にする、
などとあのころ直感的に思って、ぼろくそに批判したものだが、
大企業の経営陣は大儲けでほくほくの状態が続いたかもしれない、
その裏での犠牲者は、この年末の失業者たちだけでなかった。


中東には、新年への思いというのはないのだろうか?
イスラエルの空爆による死者は350人ほどになり、
イスラエルはハマスを攻撃しているようだけれど、
民間人の死者も数十人に及んでいるそうだ(負傷者はその何倍か?)。
さらに地上戦の準備も着々と進めているという。

ハマスもイスラエルに攻撃しているが、
そのロケット弾での死者は今のところ1名。
B29に対して竹槍訓練していた戦時中の日本ほどではないにしても、
こんなに戦力が違うのになぜ何日も前から攻撃を仕掛けていたのだろう?
(疑問だらけのパレスチナ問題についてはまたこの次だ)

空爆に踏み切った理由として、新聞に書かれてあった第一のものが、
来年2月の総選挙で、劣勢の与党が巻き返しを計るため。。
選挙で勝つために人を殺すのか、と我々は思ってしまうが、
和平推進派の現与党よりも強硬派に支持が集まっているのだそうだ。
アメリカの和平工作をはねつける意味もあるとかないとか。。
つまりはこれも、よい年を迎えたい、の現れなんだろうか?
(ガザ地区の庶民にとってはとんでもないことだけど、、)
また、昨夜読んだネットニュースの中には、
市場はこの事態を歓迎している、なんてのもあって、、、

宮内勝典氏の海亀通信に、現地からの声が転載されていた。
http://pws.prserv.net/umigame/diary9.htm

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       ガザ空爆 現地からの声(第2報)

         【転送・転載 歓迎】

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空爆のガザから(12・27夜)  I.S.

日本の皆さんが私たちの状況に関心を持ってくれていることに感謝します。

今日起こったことは、ハマスがイスラエルの反応を見誤ったことのツケを、関係のない市民が払わされたことに他ならないのです。包囲され、物資の不足に悩まされながらも、私たちは停戦のおかげでイスラエル軍の攻撃だけは心配しないで済んできましたが、ハマスなどのグループは、半年の停戦の結果に満足していなかったのです。そして、停戦の失効を宣言してロケット攻撃を再開し、イスラエルがこうした過剰な攻撃を始めたのです。

呆然とした一日でした。11時30分イスラエル軍はガザの警察本部を攻撃しました。そこでは、ちょうど警察士官の卒業式が開かれていました。一瞬にして大勢の警官と警察トップのタウフィーク・ジャビール将軍が殺されました。 いま、治安部隊と警察は、ハマスのメンバーで占められていますから、ガザ中で行われた攻撃の格好の標的とされたのです。10分間に100発のミサイルが使われたそうです。

私自身も他の多くの人と同じように、やり場のない感情を抱えています。ハマスは市民を守ることもできないし、イスラエルとの闘争に対する知恵ももちあわせていないのです。一方、アッバス大統領も市民をハマスやイスラエルから守ることはできないし、エジプトもアラブ諸国も同じです。だから、ガザの一 般人が犠牲になっているのです。私たちは、自分たちが孤立し、イスラエルによる犠牲者の列に加わっていると感じています。イスラエルは今日の爆撃をまだ端緒にすぎないといっているのですから。

医療機関の発表によれば、死者は200人を超え、50人以上が重体。350人以上の負傷者といっています。いま夜の8時ですが、今後も爆撃があるかもしれません。

ガザでは数時間電気が来たと思うと、その後数日は停電が続き、燃料代わりのケロシン油を探すのにみな血眼です。何時間もパン屋の前に並び、銀行から預金を引き出すこともできない状態が続いています。暗闇でどう過ごすか? 必要な薬をどうやったら入手できるのか? 私たちは生き延びるためにだけ頭を使っています。日々の生活そのものが悪夢のようです。

私は、今晩、家でじっとしていることができませんでした。暗闇のなか、赤ん坊は泣き続け、母が停電のなかで、明日のパンをどうしようと叫んでいます。それに耐えられず街のインターネットカフェに来てしまいました。ニュースを見続け、何か希望の糧になるものはないか?と探しています。


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