TENSEI塵語

2009年01月02日(金) 「花見酒」の、、、経済学?

元旦の朝日新聞「私の視点」の、桂文珍の文章がおもしろかった。
特に、話の枕にした「花見酒」。


リーさんという男がコモかぶりの酒だるを仕入れ、
花見の席に1杯5銭で売りに行こうということになりました。
1人で担げないものですから、弟のマンさんに後ろを担いでもらいます。
担いでいるといいにおいがするし、
マンさんが「1杯飲みとうなった」と言い出します。
「そやけどこれ商売用やから」
「5銭はあんねん」
5銭もらって飲ませますと、うまそうに飲みます。
「わしも飲みとうなった」
「商売用やから金払ってもらわんと」
「ここにある」と、さっきもらった5銭をわたします。
「かー。うまそうやな。わし2杯目が飲みとうなったな」
同じ5銭をやったり取ったりしている間に酒がなくなっていきます。
「さぁ、出かけよう」
と持ち上げると、えらい軽くなっています。
花見の席に着いてみると、売る酒がありません。
「こんだけ売れたんやから、金があるだろう」
と見ると、金がありません。
「底に穴が開いていたに違いない」
「そこに気がつかなんだ!」


この虚しい5銭のやりとりに、金をあちこち動かして
儲けたり損したりしているらしいイメージを重ね合わせて
読んでいたらたいへんおもしろかったし、筆者も、
「欲だけでやり取りをしているうちに実体がなくなるというのは、
 世の中によくある話です」
と、この落語の話をさらりとまとめていて、わかりやすかったのだが、

後で、実際どういう営みがこれにあてはまるのか、
具体像を求めようとすると、経済音痴の私の頭ではさっぱりわからない。
それで、ちょっと検索かけてみたら、
「花見酒の経済学」というのは、一落語家が持ち出した説でなく、
何と、既に60年代に経済学者が言い出した説らしい。

http://www2.kumagaku.ac.jp/teacher/~sasayama/macroecon/ma...

ここで挙げられている典型的な例として、バブル経済をあげ、
また、銀行が自己資本を増強するために、融資先から金を集める、
という例も挙げられている。
(もうひとつあるようだけど、さっぱりわからない)

ふーん、、、わかるようなわからぬような。。。

なお、バブルは「花見酒の経済学」の例にはならん、という説もあった。
http://kerso.blog52.fc2.com/blog-entry-315.html

結局ますますよくわからなってやめてしまったのだが、
たまにはこんなことを読むのもおもしろいものだな、と思って。。。


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