一平さんの隠し味
尼崎の「グリル一平」のマスターが、カウンター越しに語ります。


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2003年06月28日(土) その16


その16

私は・・・毎日・毎日、配達で・・・12月にもなるとハンドルを持つ手が冷たく、出前箱を持つ手も冷たく、
 次から次と出前の料理が上がり、ほとんど店の中にいる事がなく、たまに店にいる時は洗い物が
 山ほどあり・・・洗ってると、また出前の料理が上がり・・・手を拭く間もなく・・・

「おーい!パーマ屋さんの出前上がったでー」・・・・・・・「はーい!」

前掛けが洗い物で、ビッショリ・・・レジの姉さんが・・「外は雨だから、傘をさして行ったら・・・」

「ありがとう!でも近くだし、自転車で行きまーす」・・・・・(どーせ濡れてるし)

パーマ屋さんの、大きな一枚ガラスの扉を開けて・・・「まいどー!一平でーす!」

突然!お客さんの、どなる声!・・・・・どーも、見習いの女の子が怒られていた・・・・(可哀想だった)
 どっかのクラブのママさんみたいで・・・

「商売道具のこの髪をどーしてくれるんや!」・・・・・・髪を洗うのに液を間違えたみたいでした、

テーブルの上に料理をおきながら、その子の方を見ると、ペコペコ頭を下げながら泣いていた、

どーみても、オルテガの女版!髪に金をかけるなら、痩せてからやろ!と、思いながら店を出た、

外にでたら、雨あしがひどくなってた・・・看板の横で雨に濡れながら見習いの子は泣いていた・・・

「風邪ひくよ!店に入ってもう一度謝ればいいよ・・・・これぐらいの事で、店やめるなよ!」

その子は、びしょ濡れの髪で、小さくうなづき店に・・・恐る恐る、はいって、いった・・・


            つづきは・・・・・・・・・また


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