一平さんの隠し味
尼崎の「グリル一平」のマスターが、カウンター越しに語ります。
目 次|過 去|未 来
その16
私は・・・毎日・毎日、配達で・・・12月にもなるとハンドルを持つ手が冷たく、出前箱を持つ手も冷たく、 次から次と出前の料理が上がり、ほとんど店の中にいる事がなく、たまに店にいる時は洗い物が 山ほどあり・・・洗ってると、また出前の料理が上がり・・・手を拭く間もなく・・・
「おーい!パーマ屋さんの出前上がったでー」・・・・・・・「はーい!」
前掛けが洗い物で、ビッショリ・・・レジの姉さんが・・「外は雨だから、傘をさして行ったら・・・」
「ありがとう!でも近くだし、自転車で行きまーす」・・・・・(どーせ濡れてるし)
パーマ屋さんの、大きな一枚ガラスの扉を開けて・・・「まいどー!一平でーす!」
突然!お客さんの、どなる声!・・・・・どーも、見習いの女の子が怒られていた・・・・(可哀想だった) どっかのクラブのママさんみたいで・・・
「商売道具のこの髪をどーしてくれるんや!」・・・・・・髪を洗うのに液を間違えたみたいでした、
テーブルの上に料理をおきながら、その子の方を見ると、ペコペコ頭を下げながら泣いていた、
どーみても、オルテガの女版!髪に金をかけるなら、痩せてからやろ!と、思いながら店を出た、
外にでたら、雨あしがひどくなってた・・・看板の横で雨に濡れながら見習いの子は泣いていた・・・
「風邪ひくよ!店に入ってもう一度謝ればいいよ・・・・これぐらいの事で、店やめるなよ!」
その子は、びしょ濡れの髪で、小さくうなづき店に・・・恐る恐る、はいって、いった・・・
つづきは・・・・・・・・・また
|