一平さんの隠し味
尼崎の「グリル一平」のマスターが、カウンター越しに語ります。


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2003年08月19日(火) 番外編・・・その1



番外編・・・その1

{ 五、六年、前になりますか・・・琢と日本海へツーリングに行った事があります、

 天の橋立から伊根町をぬけて経ヶ崎へ行く途中で、琢が・・・「ちょっと休憩しよう」と

ちょうど、それが、宮津の駅だったんです!駅の長椅子に座って、何気なく外を・・・

見てたら、食堂があって、琢が、「お腹すいたなー」なんて言うから、二人でその食堂へ

行ったんです、二人で陳列を見ながら、あれやこれやと決めかねていました・・・

隣にパーマ屋があって、外を掃いてる女の子がいて・・・何かどっかで見たことが・・・

あるなーなんて思いながら食堂の中へ・・・琢と定食を食べながら、琢に、

「先っきの子なーどっかで見たことがあるんやけど・・・」

そして・・・ビックリしたんです!「ええ!  ええ!」 「うそうそ、うそうそ」

私はも一度、外に出て確かめようと・・・もうその子はいなくて、その店の看板を見た
 
ら、間違いなく、あの時の、見習いの子の名前でした!えええ!でした!じゃ!あの子

は、娘さんだ!ほんまに、あの時の、顔と同じ顔をしてました・・・そーっと店の中を

覗いたら、もう、すでにお客さんが座ってて、あの時の見習いさんは、髪を洗うだけ

じゃなく、パーマを掛けながらお客さんと、笑顔を交えて、優雅に・・・自信に満ちて

お喋りをしてたんです、娘さんが時おり下を掃きながら、お母さんと顔を見合わせ

ながら、笑って話してるんです・・・・・そうでしたか、貴方は夢を棄ててなかった!

あれから、貴方にどんな人生があったんでしょうね・・・苦労したんですか?・・・

おばあちゃんの・・・髪は・・・貴方の店で解いてあげたんですか?・・・

たった・・・5分ほどの事でした・・・じいーんと、じいーんと、しました・・・

食堂に帰って、琢に話したら・・・「へーーなかなか根性ある人やねー」・・・

また・・・二人でバイクに乗り・・・宮津を後にしました


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