一平さんの隠し味
尼崎の「グリル一平」のマスターが、カウンター越しに語ります。


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2003年09月07日(日) その29


その29


高度成長のおり、人手不足は職人さんまでおよび、見習いさんはいっぱいいるけど、

そこそこ、五年以上の手に職を付けてると言うか、いちよう、ひと通りの事が出来る

職人さんが少なくて、どこのお店でも、引っ張りだこでしたね、当時のグリル一平も

五、六年、勤めてるコックさんが、いつの間にかよその店に、ひっこ抜かれる事が

たたありましたね。スナックのママさんが最近よくカウンターで見かけるなーと、思っ

たら、中の職人さんと仲良くなって、一月ぐらいすると、急に店を辞めたいと言いだし

次の日には、そのスナックの調理場でオードブルを作ってる、姿が見れましたよ・・・

だいたい、手口としては、ママさんが店の可愛いスタッフを一平に連れて来るんです・・・。

その、可愛いスタッフに、お目当てのコックさんと友達になるように通います、そして、

今度は店に一度飲みに来るように誘います・・・。一度そのスナックに行ったら、また、

必ず同じ店に行きます、そして言葉巧みに、店を助けて欲しいと言って、オードブルを

作るスタッフいない!腕のいい職人さんが欲しい!と、悩みを相談するんですね・・・

職人さんて、意外と正義感あって、助けて上げようとするんですね・・・。

そうして、何人ものいい腕の職人さんが辞めていったことか・・・。

我が尊敬するチーフが次に日、ニコニコしながら言うんです、



「やけどさした、あの店にいったよ、ちょうど忙しくしてたから、手伝ってあげたら
  えっらい喜んでくれて!ビールもご馳走になって・・・。」


        また次の日に
            


一平 |MAILHomePage

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