一平さんの隠し味
尼崎の「グリル一平」のマスターが、カウンター越しに語ります。
目 次|過 去|未 来
その30
店のオーナーから絶大な信頼を受け、本人も洋食の世界に日々、自分を厳しく接し
料理に究極と、いうものはなく、次に作る料理はもっと美味しく、もっと!もっと!
それが職人と、いうものだ!と、いつも言ってました。野菜サラダを盛るにしても
胡瓜のスライスした時の長さ、アスパラの立ち具合、全体のバランスとか、必ず
チェックする人でした・・・忙しい日にこんな事もありました・・・
レシャップの人が野菜サラダを盛り付けて出そうとした時!
「ちょっと!待って、このサラダ!君がよその店に行って、サラダを注文して、 このサラダが出てきたら、君は金を払うかい?」
「あのね・・・仕事として盛るんじゃなく、君が食べたいと思うサラダを盛るんだよ」
そして彼は・・・ゆっくりと・・・
「職人は自分の仕事におぼれたら、あかんで!気が付かない内に、仕事が小さくなるで」
何故か今でも・・・サラダを盛るとき、不思議と毎回この言葉が、よみがえります・・・。
また次の日・・・
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