一平さんの隠し味
尼崎の「グリル一平」のマスターが、カウンター越しに語ります。
目 次|過 去|未 来
その32
親父さんも、言った手前、引っ込みがつかず、そのまま、店をプィっと出ていってしま
った。みんな、みんな、不安だった、セカンドチーフはいるけど、人望的には・・・
みんなから、嫌われてるみたいでした。
或るとき、へんこな、お客さんが、 「ヘレ肉を焼いてくれ、チーフは?チーフはおれへんのか?」 「何で、ここをやめたんや!それやったら、もうーええわ!」・・・(帰ったがな!)
そんな事が、たびたびあった。チーフの事を、悪く言う人は誰もいなかった。
私自身とっても悲しい思いでした、これからもっと、もっと、学ぶ事がいっぱい
あったし、チーフを目標にしてた私は、突然の事で、地に着かない心のまま、
日々、配達してたことを思い出します。
もうー私もやめて田舎へ帰ろうかと思っていた時・・・。
オルテガさんに、ある日、呼び止められ・・・。
また・・・次の日
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