一平さんの隠し味
尼崎の「グリル一平」のマスターが、カウンター越しに語ります。
目 次|過 去|未 来
その33
オルテガさんは私に聞きたいことがあったみたいで・・・
「あの、チーフ、店をやめたらしいな、そして何処いったんや?」
私は、言いたくなかったんですが、あの顔でにらまれると・・・
「たぶん、あの料理屋の女将さんの所だと思いますけど・・」
すると、オルテガさんは、すぐに・・・
「わかった!今から、その料理屋でも覗いてこようか・・・」
正直、私はイヤナ予感がした。
配達もそこそこに、帰りに料理屋の方に回ってみた。
もうそこのは、たくさんの人だかりが出来ていた・・・入り口が開いていた。
オルテガさんが、カウンターの真ん中に座って女将さんと、その横にチーフがいた。
「なあー女将!商売ってもんは、自分だけよければいいってもんじゃないやろ!」
「よその店の一番手を手玉にとって、引っこ抜いて来て!どないやねん!」
「チーフ・・・ええのんか?この店で・・・ええのんか?」
また・・・次の日
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