シングルマザー2


 過去 : 未来 : メール 2003年08月30日(土)


ゆきちゃんは二人の子どもを産んだ。


別にゆきちゃんはお金持ちの社長の愛人だったわけじゃない。

その彼の実家にも法事などがあれば出かけたし籍は入ってなくても「妻」の座にいた。

当時は「事実婚」というものだったのだと思う。




しかしその旦那が浮気をしていることが発覚した。
毎日帰ってきていた彼がたまに帰ってこなくなり、少しずつ帰ってこなくなった。

ゆきちゃんは悩んだ。

当時のゆきちゃんは興信所に彼の素行調査を依頼し、また宗教に走った。

多くを語らないゆきちゃんに相当な修羅場があったのではないかと思う。






私がゆきちゃんと再びよく逢って遊ぶようになったのは私も結婚して子どもを一人産んでからだった。

もうその騒動から一段落していた頃だった。



マンションから大きな一軒屋に引っ越していたゆきちゃんの家に遊びにいった。

子どもたちはもう幼稚園児になっていた。

かわいい盛り!

でも「お父さん」の影はほとんど残っていなかった。

その頃はもう彼は子どもの誕生日とクリスマスにそこへ来るだけになっていた。

でも車は買ってくれて、生活費も払ってくれていた。


ゆきちゃんが毎年くれる何とも言えないかわいい表情の写真年賀状をみると、彼女の心のうちが伝わってくるようだった。


親にも頼らず彼女は一人で二人の子どもを一生懸命、溢れる愛情で子育てをしていた。








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世の中だんだん不況になってからゆきちゃんの生活はだんだん変化してきた。



毎月の「お金」は減るし、子ども達は大きくなるし。



彼女は稼ぐことを考え始めた。












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