QP-Days
くづき



 「純潔のナルシズム」〜セーラームーンミュージカル

仕事始め2日目は会社の皆とサンシャイン劇場へ。
いつもの「セーラームーンミュージカル」です。
12年間約900回続いたこのリーズも今回の公演でしばらくお休みになります。

まあ、客入り具合を見るとしかたないかなーと思いますね。平日昼公演とはいえ1階
席で5〜6割位の客入りですからねぇ。アニメも実写もTVでの放送が終わってしまっ
た状況ではプロモーションもままならないし・・・最後のお祭り気分を盛り上げるこ
とも出来ない現場の大人の事情の香りがプンプンする劇場内ですが、客席には髪を二
つに結んだうさぎちゃんスタイルの子やセラムンの衣装を着て御機嫌のちびっ子たち
がそれなりにいました。以前より更に年齢層下がってるなぁ(^^;幼稚園クラスが
ほとんどだ・・・実写版でつかめたのは結局この層だけだったのかなぁ。

物語は数年前に上演された作品のリメイク。「かぐや島」と呼ばれる伝説の南の島で
セーラー戦士たちが、古代海洋民族の末裔たちと宇宙の果てからやってきた暗黒彗星
の人たちとの三つ巴の戦いをして地球を救う、という感じです。
そこに「かぐや姫」伝説とかが多少絡んできたりします。

ま、脚本はあいかわらず穴だらけ、ツッコミどころ満載のダメダメな本なのです。
簡単な話に飾りを一杯つけすぎて訳判らなくなってます。簡単なままでええやん!と
激しく言いたい。謎だけ振りまいて一番肝心なところは台詞の一言かよ!!!と。

演出もセーラームーンよりも悪役チームの出番が多いんじゃ?という非お子様向け
だったりしてやっぱりダメダメ。終演後に一緒にいったプランナーさんに「最後の盛
り上がりは面白かったけど、結局どういう話だったの?」と言われちゃうような感
じ。

でも、そんなことはどーでもいいんです。セラミュは。
このミュージカルの良いところ。それはとにかく若い娘さんたちが歌って踊ってアク
ションもして、なんだか良くわかならいうちに盛り上がって、最後に妙に胸を熱くさ
せられてしまうところなんです。

狭い舞台、セットの都合で小さめのサンシャインの舞台の前半分の更に中央付近しか
使ってないのに20名以上で入れ替わりバトルシーンっ!?とかの無茶と合間合間の
歌の力技で盛り上げる底力には素直に拍手します。
「萌え」じゃなくて「燃え」魂ですよ!!
セーラー戦士揃っての『純潔のナルシズム』なんて聞いてて「ムーン頑張れ!」とか
思っちゃうって。セラミュの良いところをもう一つ。一応全て「生歌」って事。
かなり踊ったりしてても口パクじゃないところが好き。上手い下手とか超えて人の声
のハーモニーってそれだけで気持ちいいんですよ、やっぱり。
物語がサッパリ訳判らんでも、歌詞が良く聞き取れなくても曲と一緒に乗ってくる声
のカラーで伝えたいことは判る。こういうミュージカルの基本はちゃんと押えてるの
がただのキャラ人気以外に今までこのシリーズが続いてきた理由なのかもなぁ。

各キャストさんとか。

4代目ムーンのマリナちゃんはもうちっとスタイルが良いと良かったんだけどね。腰
が太めで足もあまり長くないのに私服スタイルの時のピタTにローライズジーンズは可
哀想だよ・・・舌ったらずぎみの声も変らずだったけど、ムーンの真直ぐさと純粋な
強さは良く出てた!「白」なイメージでよし。
台詞回しもダンスも以前より上手くなったよ。

セーラー戦士もそれぞれイメージを良く掴んでるよね。今回は各戦士にスポットが当
たるお話ではなかったけど全体のバランスは良かったと思います。大人戦士チームは
かなり好き。一番ナイズバディなのがウラヌスだったり、ネプチューンがボケキャ
ラっぽかったり、プルートが色白美女だったりするのも好き(^^;

サターンとちびムーンの2人は細すぎだぁ。もっと食え、食って大きくなれ・・・と
お姉さんは心配したくなる細いお子様'sです。
タイツの下に浮ぶ膝頭の骨に ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ
カテコの日替わりソロはちびムーンでした。可愛いかったよ。
タキシード仮面はお笑いユニットをやってる宮本さん。演技は多分今までのタキ仮の
中でも上手い方だよね。普通に演技してる(笑)。若いパパみたいで、ある意味頼れ
るまもちゃんでした。

敵キャラのダークプラズマンがやけに歌の上手い人で「ああ、これはミュージカル畑
からの人に違いない」と幕間にチェックしたら広田勇二さんでした。メイクと衣装で
判らなかった。ラプンツェルの王子様は暗黒彗星の大王様になってました。
ウッヒャー。
1人朗々と響く歌声は作品を引き締めていたと言えなくもない・・・かも知れない。

お馴染みの河崎美貴さんの身体のシルエットの美しさにポーっとなり、遠藤あどさん
のお笑いとシリアスな演技を楽しみ、女海賊メロウの森ひろこ嬢のおきゃんな魅力に
フニャフニャとなりアンドロイド'sのアクションに燃え、猫耳ちびーずとママに泣
き・・・となんだよ、結構楽しかったじゃないか!

物語はダメダメでも曲は覚えやすくて、いいのも多いんだよー。(ずっと小坂明子さ
んが作曲だったからね。)今回の休止で再上演のタイミングは難しいものになったと
思うけど、いつかまた上演してくれるといいなぁ。
ああ、大人の事情。


2005年01月06日(木)
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