天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

今はわたしだけのあなたになって - 2001年05月02日(水)

「昨日どうだった? どこに行ったの?」
「なんのこと?」 
「会ってただろ、誰かと。」 
「ああ。ふふ、4時に帰って来ちゃった。」
「4時?」
「うん、朝の。ホテルに行ったの。」
「・・・。やっちゃったのか。」
「ふふ。もうね、誰とでもやっちゃうの平気になりそう。」
「・・・何言ってるんだよ。何してるんだよ。」 

ESビルに上って夜景を観たの。全然たいしたことなかった。それより風がすごく強くて、わたし酔ってたし、ふらふらになっちゃって転びそうだったの。そしたらその人わたしのこと抱きしめて、それからそのままわたしにキスしたの。それでね、腕を抱えた右手のね、親指でわたしの乳首なぞったの。誰にもわかんないようにそっとだよ。すごいよ、そのテク。わたしくらくらきちゃって、崩れ落ちそうだった。おしゃれしてブランニューのサンダル履いてったから足も痛くなってたの。もう歩けないって言ったら、そのまま降りてタクシーに乗せられて、それでホテルに連れてかれちゃった。ちっちゃいホテルで別に素敵なとこじゃなかったけどね。いいんだ、そんなのは。

そこまで考えてたのに、全部省略。そんなにすらすら嘘つけない。

「・・・あなたのせいよ。」
「僕のせいなのか。」
「ほかに何があるの?」
「・・・僕が結婚するから?」 
「・・・。苦しいから。苦しくてもう自分をめちゃめちゃにしたいの。」
「・・・。」

きみが僕のせいだっていうんならそうかもしれない。僕のせいだと思ってもしかたない。だけどね、自分のせいだと思いながらきみが壊れてくのを見てるのは、僕には重すぎる。僕にだって彼女がいるんだから、きみを縛れない。縛りたくても縛れない。そんな資格はないよ。きみの人生なんだからきみの好きなようにすればいい。でも僕がいやなのはわかるだろ? いやだよ、そんなことやめて欲しいよ。軽々しくそういうことするなよ。

いや。やめて。やめてよ、そんな言い方。どうして? 怒ってよ。怒って。電話してるときは僕はきみだけのものだよって言ったじゃない。忘れさせてよ、彼女のことも結婚することも。縛ってよ、わたしのこと。今はわたしだけのあなたになって。わたしはあなたのものだよ。ちゃんと怒って。怒ってよ。 ー言えなかった。涙が溢れてこぼれてぼろぼろ落ちて、声が出なかった。


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