雲の上の世界 - 2001年05月03日(木) 「怒らないの?」 「怒ってる。」 「うそ。怒ってない。前ならもっと怒ったじゃない。『もうほかにいい人見つけようかな』って言っただけで、ダメ、絶対ダメって言ったじゃない。」 「・・・もうしないって約束して。約束するって今言って。約束する?」 「じゃあ、あなたがHしてくれたらもうほかの人としない。」 「・・・どうやって?」 「あなたがHして。」 「どうやって? 電話で?」 「うん。」 「・・・。」 「困ってる?」 「・・・でも結婚したらもう出来ないよ。」 ああ、またそれ。結婚したら、結婚したら、って・・・。 「なんでそんなに早く結婚しちゃうの?」 「もう24だよ。」 「まだ24じゃん。」 「学年でいえば25だよ。僕が早生まれってだけで。」 バカ。何が学年なのよ、その歳になって。 「きみはこれからどうするの?」 「これからって?」 「僕だけ結婚して、きみがずっとひとりでいるなんて・・・」 「心配してくれるの?」 「心配だよ、そりゃあ。」 「なんで?」 「好きだから。きみが好きだからだよ。」 「・・・。」 「だんなとはどうするの?」 「・・・。わかんない。」 「どうなってるの?」 「・・・。もう連絡してない。電話もないし、メールも来ない。」 たとえ一緒に暮らしてなくてもわたしが結婚してることは平気じゃないって言ってた。たとえ自分が結婚しても、それは平気じゃないって言ってた。「別の人を好きになったら?」って聞いたら、それもいやだって言ってた。今は? 夫のところに戻ってほしいの? ひとりじゃ心配だから、好きな人が出来ればいいと思ってるの? 「どこにも行かないで。」 「・・・どういうこと? 結婚するなってこと?」 「・・・ううん。だけど・・・どこにも行かないって約束してくれたじゃない。離れて行っちゃわないって。」 「僕が電話してって言った時にだけ電話してくれたら、彼女にばれないようにしてくれたら、 ・・・ずっと離れないよ。」 「だけど僕が結婚したら、もう今みたいには電話できなくなる。ときどきしか話せなくなる。きみはその時間だけをずっとずっと待つの?」 「・・・うん。」 「・・・。わかった。考えるよ。」 考えるって、何を? 結婚したら、結婚したら、結婚したら。・・・そのフレーズを聞くたびに、あなたが抜いてくれたはずの棘がひとつずつわたしの心に返ってくる。あなたは気がついてない。ううん、多分知ってる。わかっててそう言ってる。わたしがあなたの結婚をちゃんと受け入れられるようになるために。 今あなたに送ったわたしの好きなAmberのCDを聴いてる。あなたもいいねって言ってくれた。「いろんなことがあったけど、喧嘩もしたしいっぱい泣いたけど、それが無かったら今はなかった。やっとここまで来られたね。今わたしたちは雲の上を飛んでいる。なんて美しく澄んだ世界。わたしにはここから幸せが見えるの」 ーabove the cloudsを聴くといつも元気になった。今は悲しい。あなたは今その人と一緒に雲の上の世界に飛んで行こうとしているんだね。 -
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