ラヴェンダーのコロン - 2001年05月19日(土) 見つけた。ラヴェンダーのコロン。 前に住んでたところではちっちゃなドラッグストアーにもあったのに、ここではずっと見つけられなかった。 あの人に会ったときにつけてたコロン。シャネルでもアルマーニでもカルヴァン・クラインでも、資生堂でもなくって、あの人のために選んだのはドラッグストアーで買ったラヴェンダーのコロンだった。 ちっちゃなアトマイザーに入った忘れられなくなった香りは、特別な時にしか使わない特別なものになった。ー特別な時なんてほとんどなかったけど。そう、誰かに会う時とかじゃなくて、ひとりでふらりとショッピングに出掛けたり、なんとなくひとりでカフェに座ってコーヒーを飲みたくなった時。わたしにとっては特別な気分の時。 覚えてるかな。覚えてないよね、きっと。会ったのはたったの5日だけ。もう一年も前のこと。わたしはこのコロンをつけるたび、あの素敵だった5日間を胸が苦しくなる思いでなつかしんでるけど。 「あなたをわたしの香水のアディクトにしたい」って、ちゃんとした日本語でなんていうんだろう。Amber の sexual に出てくる歌詞。「この香りを嗅いだだけでわたしを抱きたい気分にさせたい」って・・・ちょっとアグレシブ? 「あなたをわたしの香水のとりこにしたい」? ちょっと物足りない。 ーあなたがわたしに触れるとき、それは苦悩。 体を撫で上げられたら、背筋に電気が走る。 あなたがわたしに言葉をくれるとき、それは痛み。 わたしの心臓にあなたがどんな仕打ちをしているか、 あなたは知らない。 あなたが喋るとき、口の動きをじっと見てるの。 部屋を出ていくとき、その体をじっと観察するの。 あなたはわたしの友情をどれほど尊重してるかって言うけど、 わたしはあなたをわたしの香水のアディクトにしたい。 ここに来て、わたしにキスさせて。 わたしに出来ること、やってみせてあげる。ー 「エッチな歌なんだ。だから好き。」 「ハハ。エッチだから好きなの?」 「そうだよ。アルバムの最後にね、sexual のクラブミックスが入ってるの。」 「へえ。いいじゃん、いいじゃん。」 「でしょ? 送ってあげるから聴いて。きっと好きになるよ。」 送ったとき、CDのケースにメモを貼った。「わたし的にサビの部分をお下品に訳すとね、『普通のじゃだめ。もっといやらしくなって。わたし、したい気分なの。知性なんてかけらもいらない。あなたの隣りにいるといやらしい気分になるの』ってそんな歌。」 そんなことを言うから、「エロおねえさん」なんて時々言われる。でもそれっていやじゃない。ベッドの中で「わたしとHするの好き?」って聞いたら、「好きだよ。だってすごいいやらしいもん。」って言ってた。嬉しかったな。 思い出したりするのかな。もう思い出さないよね。思い出してほしいけど。 ーあなたをわたしのラヴェンダーのコロンのアディクトにしたい。 明日から一泊でボストンの友人のところに行く。ラヴェンダーのコロン、つけて行こう。なんとなく、そんな気分。 -
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