雪のように - 2001年06月05日(火) こころの傷に 涙が落ちるから 傷にしみて しかたないけど 痛くても我慢すると 痛みながら癒えて 茶色いかさぶたが できてくる かさぶたが悲しくて ひざをかかえながら 爪の先で ほろほろとはがすと 傷ついたこころが 剥き出しになって 血さえ滲じませて 風にさらされる 潮風みたいな 風にさらされるから 傷が疼いて しかたないけど もう涙が こぼれないようにと 貝のように 口を閉ざす 雪のように 息を止める 「泣かないことが 条件だよ」って あの人が 言ったから それは去年のクリスマス。約束信じて待ってたのに、会いに来てもらえなかった。「泣かないで。絶対絶対会いに行くから。ちゃんと、行けるときを探して会いに行くから。だから待ってて。泣かないで。もう泣かないで。きっと会えるから。会えるから。だから、会えるまでは、泣かないことが条件だよ。」 ー雪を見ながら書き留めた悲しみ。 それからもずっと、叶わない約束。 泣いてばかりだからいけないんだね。 昨日たくさん話した。2時間も話してくれた。雪が大好きなあの人は雪の季節に来たいって言った。9月に来てくれる約束はどうなるの? また泣いちゃった。 わかってるよ。そんなに簡単なことじゃない。わかってるの。 雪の季節は素敵だよ。いつもそう話したね。だから、待つよ。一番素敵な季節を見せてあげる。 「彼女はいいな。いつでもあなたに会えて。」 ちょっとだけ笑ってそう言ったら、何かがぽろっとこころから落ちた。 -
|
|