悲しませた - 2001年06月09日(土) あのひどいこと書いて送った「いたずらメールみたいなの」を、あの人は読んでしまった。「読まないで」って言ったら、「じゃあ、『許してちょうだいメール』送って」って言われた。電話を切って『許してちょうだいメール』を書き終えたころに、また電話が鳴った。 「送ってくれた?」 「今から送るとこ。」 「あ〜あ、もう届いたと思って、それがそうだと思って、開けて読んじゃったよ。」 「うそ・・・。読んじゃったの? あのメール?」 「返してほしい?」 「・・・。」 「僕がしてもらったこと・・・。」 「・・・。」 「ごめんね、いろいろしてくれたこと。・・・どうしよう? 返してほしい?」 「・・・。」 「っていうか、返せないよ〜。」 「ちがうよ。ちがう。・・・あんなの、うそだよ。・・・ごめんね。・・・ひどいこと書いて。」 悲しそうだった。そんな声してた。 『許してちょうだいメール』をすぐに送った。 ごめんなさい。 わたしがいけなかったです。 ごめんなさい。 ずぅーっと待ってたのに電話かかって来なくて、 ほんとは心配したの。 なにかあったのかなって。 それで何かあったの?ってメール書いてたら 途中で悪い子霊が乗り移った。 悪い子霊が、書いたメール全部消して ひどいこと書いちゃったの。 だけど わたしが悪い子霊のやった仕業も 全部責任とって罪をかぶります。 わたしがいけなかったことにします。 だから許してください。 ごめんなさい。 大好きだから、許してください。 悪い子霊も許してあげてください。 悪い子霊が書いたことは全部うそです。 でも、読まないでね。 ごめんね。ごめんね。 大好きだよ。 大好き。大好き。大好き。大好き。大好き。 もう一回、こころから ごめんなさい。 いい子のわたしより 愛をこめて 『許してあげますメール』が来た。 「ゆるしてあげましょう〜」 短い。それだけ? あんなに一生懸命書いたのにな。あの人は甘い言葉なんて、メールでくれない。長いメールもくれたことない。返事なのに、全然答えてなかったりもする。 「ねえ、送ったメール、全部ちゃんと読んでくれてる?」 昨日、電話で聞いた。 「読んでるよぉ。あ、でもさ、このあいだあのメール読んだとき、それまで読んだメールの内容全部ふっ飛んだな。いや〜な気分になったもん。」 「・・・コワかった?」 「コワくはないよ。・・・悲しませたなあって思った。」 嬉しかった。「ばか」も「うそつき」も「きらい」も「もうしんじない」も「だいきらい」も、「どうせあなたはけっこんしちゃうんだから」も、怒ってるせいじゃなくて、悲しかったせいだってわかってくれてる。わかってくれたのも嬉しいけど、「悲しませたなあって思った」って、言ってくれたことがすごく嬉しかった。 「悲しませたなあって思った。」 耳の奥にじんと染みた。胸がきゅんとなった。 余韻が残ってるあいだに、早く早く週末が過ぎてしまいますように。 -
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