天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

ごめんね - 2001年06月19日(火)

「『声聞きたい病』になった」ってメールを送った。
「『声忘れた病』が併発しかかってるんだって。先生に言われた」って書いた。

そしたら電話をくれた。

外から帰ってきて留守電のメッセージを聞いてたら、電話が鳴った。
あの人の声だったから驚いた。「どうしたの?」なんてはしゃいだ声出したら、笑って「病気になったの?」って言った。

一週間経ってないのに、声が聞けた。
「よかった。今ちょうど帰ってきたとこだったの。」
「2回かけたんだよ。朝の4時頃から起きて仕事の作業してたんだけどさ、ふと、いるかなと思って。で、メールチェックしたら来ててさ、病気になってるっていうじゃん。」
そう言って、また笑った。
 
嬉しくて嬉しくて、電話を持ったまま子どもみたいにベッドに飛び乗ったり、枕を抱きしめたり、チビたちの顔をむちゃくちゃに撫で回したり。突然の電話ってこんなに嬉しいものだったんだね。

嬉しくて嬉しくて嬉しくて、声の調子まで違うわたし。

なのに、自分から泣くようなこと言って、お決まりのように泣いてしまった。

いつもあの人が話してくれる「あのこと」。
わたしがしたあることを、あの人はものすごく感謝してくれてて、いつかお返しをするってずっと言ってくれてる。それは少しお金のかかることだから、今すぐは出来ないけど、ずっとずっと少しずつお金を貯めて、いつか絶対わたしのためにしてくれるって言う。「言葉じゃ表せないくらい感謝してるから。きみがいいっていっても、それだけは絶対僕はしたい」って、計画してくれてること。

嬉しいけど、結婚したらもう無理だとわたしはあの時から思い始めてた。そして、あの人がその話をするたびに、胸の奥に引っかかるようになってたことがある。言わなかったのは、結婚のことを自分から話題にしたくなかったから。あの人と彼女が一緒に決めたふたりの生活の方法なんて、知りたくなかったから。

今日あの人がその話をした時、なぜかわたしは言い出してしまった。
「結婚したら、どうなるの?」
「ちゃんと、実現できるまでお金貯めるよ?」
「だって、どうやって? 結婚したらひとりじゃないんだよ。ふたりで生活するんだよ。」
「なんで? 僕が働いて稼ぐお金だよ。おこづかいから少しずつ・・・」

ほらね。聞きたくなかったでしょう? バカなんだから。バカ。ほら、もう泣き出した。

「無理だよ。出来っこないよ。いやだよ、そんなの。だからいいよ。」
「・・・わかった。じゃあ、結婚するまでにできるだけ頑張ってそれから・・・」
「違うの。そうじゃなくて、そうじゃなくて・・・。」
いやなの。あなたひとりのことじゃなくなる。間接的にだって、ふたりの生活になんか触れたくないの。関わりたくないの。

「泣いてない」なんて言ってもバレてる。理由を聞かれても「言いたくない」の一点張り。なだめたり、笑わせたり、囁いてみたりしながら、あの人はわたしのこころの扉を叩いてる。ーごめんね。バカなこと言い出さなきゃよかった。そう思いながら、内側から自分でそっと扉を開けてみた。

「あのね、お返ししてくれるなら、あなたからしてほしいの。
 あたし、あなたにしてあげたの。あなたのためにしてあげたかったの。あなたのためだけなの。」

自分のプライドを守る精一杯の言い方。遠回しなイヤな言い方。それなのにそんな言葉で全部わかってくれたあの人は、開いた扉から腕を伸ばして、わたしのこころを抱きしめてくれた。

「ごめん。きみのそんな気持ち、考えてあげてなかった。ごめんね。もう一度方法考える。きみを悲しませないで、決めてることちゃんと出来るようにする。ごめん。」

なんでそんなに優しいの? 悪いのはわたし。あなたがそうやってわたしの気持ちの全てを認めようとしてくれるのをいいことに、わたしは甘えすぎてる。自分の気持ち、ぶつけすぎてる。それに、せっかくのサプライズの電話、台無しにしちゃった。

謝ったら、「きみは悪くないよ。きみは全然悪くない。だから、ごめんねって言わないで。メールにも書いちゃだめだよ」って。


だから、言わない。メールにも書かない。
そのかわり、ここにいっぱい書く。
ごめんね。ごめんね。ごめんね。言っちゃいけないことだったよね。きっと傷つけたよね。ごめんね。ほんとに、ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。
ごめんね X 1万回。 手抜きじゃないんだよ。


「電話ありがとう。すごくすごくすごく嬉しかった」ってメールを送った。


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