天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

矛盾だらけ - 2001年07月09日(月)

あれからずっと、夫のことが気がかりでしかたがなかった。
夫のことっていうより、バレたんじゃないかってことだけど。

「心配だから電話をください。話したくなかったらいいけど、何かあったのなら教えてください」。
昨日こわごわメールを送ったら、今日電話がかかってきた。様子がおかしかったのは、日記を見つけたせいじゃなかった。それはほっとしたけど、彼の身の回りでちょっとしたことが起こってた。確信が出来るまで話せなかったと言っていた。

それは、まるでサイコなサスペンス映画のような話だった。犯罪ぎりぎりのところで他人の精神をコントロールする男。いわゆるマインドコントロールを、個人的なことに、特に異性関係に悪用して、それによって他人の生活や家庭を崩壊することに快感を覚えて、快感のためにそれを繰り返し続ける。夫は直接巻き込まれたわけではないけど、その当人がごく身近な人で、様子がおかしいと気づき始めたところで人づてにある事実が発覚したという話。間接的には夫は仕事にも私生活にも相当のダメージを受けていた。とにかく止めさせなければいけない、そのためにはその人がそういうことをするに至った原因や動機や経過や、それに関連のある行動や、そういったものを突き止めてきちんと分析しなければならない。身近な人だけに、それ自体よりも、事実をひとつずつ受け止めなければならないことに、傷ついて苦しんでた。

その人はわたしの身近な人でもあった。恐ろしかった。鳥肌が立った。背筋がぞおっとした。そして、夫のために胸が痛んだ。夫の苦悩が胸の奥まで伝わった。そばについていてあげたいと思った。

愛情なんだろうか、と思った。またふたりであの街に帰って、嫌なことはみんな忘れて一緒に暮らすのがいいかもしれないと、ふと思った。あの街でなら出来るかもしれない。あの人を愛したままで、夫を大事にも思えるかもしれない。姿のなくなったあの娘を、あの頃のようにふたりで愛し続けるのがいいかもしれない。って。

混乱していた。怖くて、「好きな人でも出来たのかと思ってた」なんてジョークっぽいことを言ってから、やぶへびだったかなと自分がビクッとした。夫は笑わなかった。「そんなどころじゃないよ」って言った。でも、その件については真相はわからない。

そして、そんなふうに探り合いをする関係は、やっぱりもう嫌だとも思った。
感情と理性がごちゃごちゃになって、考えてることが矛盾だらけで、わけがわからなくなった。



最近、彼女のことを聞いてしまうことが増えた。あの人は隠したり嘘ついたりしない。正直に答えられると嬉しいけど、辛い。だったら聞かなきゃいいのに、聞いては落ち込んでる。そんな女なんて鬱陶しいはずなのに、そんなわたしを「こまったちゃん」って呼んで優しくたしなめて、なだめてくれる。今日もたしなめたあとで「こまったちゃんでも好きだよ」って言った。昨日夜中に突然「あなたと彼女のことばっかり考えちゃうよ。『考えるな』って言われても無くならない」なんてメールを送ったから。そして、「きみが最近こまったちゃんだから、僕は昨日決めたよ。今週は『きみに思いっきり優しくする週間』にする」って。

わたしの天使はやっぱり素敵だ。    

罪のないことは時には残酷だけど、ありのままを見せてくれて、ありのままでいられるから、たとえ苦しくても救われる。ちゃんと言葉でも救ってくれる。探り合いなんかしなくていい。

やっぱりわたしは天使を放せない。あの娘が迎えにきたって、帰せない。

そして、ものすごく矛盾してるけど、それにそれはわたしにとって紛れもなく苦しいことのはずなのに、それでもあの人の大切な彼女にしあわせでいて欲しいと思う。それでいて、わたしには決してもらえないしあわせが、その人のものになると思うと胸が締めつけられる。

あの人の結婚と、わたしと夫が元に戻る日と、どっちが先なんだろうなんて思ってみたりもする。

ほんとに、矛盾だらけ。




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