天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

セックスは気分転換? - 2001年07月17日(火)

水曜日から2日あの人は名古屋に仕事に行く。週末はずっと大阪でイベントの仕事。

ほんとは彼女と旅行? なんて思ってちょっと黙ってたら、
淋しい? ってあの人が聞いた。

バカだねー。ずーっと毎日、もっともっと離れてるんだよ。名古屋と大阪に行ったからって、いつもより淋しくなんかならないよ。

「・・・ほんとは彼女と一緒?」
「なんだなんだ。そんなこと考えてたの? 彼女とどっか行くと思ったの? 仕事だって。そんなこと嘘つかないよ。」

よかった。そんなことわたしに嘘つく必要ないものね。わたしはあの人のそういうヒトじゃない。

「最近ずっと仕事が忙しいからゆっくり会ってない」なんて、聞いてないことまで言う。でも平気だった。近くにいて会えないなんてもっと淋しいんだろうな、って彼女のこと思ったりしてる。わたしはあの人ともうこのまま会えないんだろうなあって、少し前から思い始めたことを口にした。

「もう、きっと会えないね。そんな気がする。」
「そんなことない。僕はちゃんと考えてる。」
「あなたはね、あたしの会いたいって気持ちがどんなのかわかってないよ、きっと。」
「わかってる。」
「わかってない。」

あなたは、会いたい時にいつでも彼女と会えるでしょ? でも想像してみて。彼女がうんと遠いところにいて、そこには別に彼がいて、その彼と結婚することになっちゃって、それでも彼女はあなたのことも好きで、「会いに行くからね」って言ってくれてて、でも全然会いに来てくれなくて、結婚する彼がいるからあなたからは会いに行けなくて、ずっとずっと会いたくて会いたくて来てくれるの待ってて、でも「会いに行くから」って言いながら来てくれなくて。

「ねえ、想像して。悲しい?」
「・・・うん。」
「・・・悲しい?」
「悲しい。」
バカ。
「・・・あたしと会えないのが、悲しい?」
「悲しい。」
「うそだ・・・。」
「なんでそこでうそって言うの?」
「だって、彼女とそんなふうに会えなかったら悲しいって言った。」
まためちゃくちゃなこと言ってる。でも今までみたいに泣かない。言ってすっきりしてる。
「ちがうよ。きみの気持ち考えたら、悲しいって。」
いいよ。それで十分。少しだけこぼれた涙を拭いて、話題を変えた。

「ねえ、じゃあ答えて。『あなたにとってコーヒーってどんなものですか?』」
「う〜ん。気分転換。」
笑っちゃった。あの人が言う。
「なになに? なにそれ? どういうこと?」
「あのね、心理学やってた友だちが教えてくれたの。それは自分にとってセックスがどういうものかってことなんだって。」
「気分転換だったのかあ。」
ってあの人は笑う。
気分転換ならいいか、ってわたしは思う。
「あたしさあ、『毎日絶対欠かせないもの。一日最低5、6杯は必要』って答えちゃったの。」
「バッカだなあ。思いっきりそのままじゃん。好きだもんなあ。」

泣かない。泣かない。ちゃんと笑って話が出来た。

切るときに、「受話器にしっかり耳くっつけて」っていつもみたいに言うから、キスを待ってたら「好きだからな」って囁いた。そしてキスしてくれて、「お返しはなし?」って言った。

今は十分しあわせだよ。今はもう、このままでいい。ちゃんと頑張れる。











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