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裏切り - 2001年08月26日(日) 「会わないよ。週末はほんとに仕事。」 「今度いつ会うの?」 「来週の平日のいつか。」 「いつ?」 「まだ決めてない。昨日電話したけど。」 「内緒?」 「内緒。いつってわかったら、その日きみが辛いだろ? 僕だって今日はずっと淋しいんだよ。きみがデートってわかってるから、淋しい。言う方は平気でも、聞く方は辛いんだよ。」 「知ってるよ。そんなことあたしにはもう何度もあるんだから。やっとあたしの気持ちが分かったか!」 「・・・分かった。・・・ごめんね。」 あやまらないで。よけい辛いよ。 「抱っこして。」 「抱っこは伝わりにくいから、よしよししたげる。」 あの、雑巾で顔拭かれてるみたいな音で? 「だめ。抱っこがいい。」 わたしは目を閉じて、あの人が抱きしめてくれる気配を探る。そしてあの人の胸に抱かれてる気持ちになる。ものすごく上手に出来る。 「『きみが食べられませんように』って、おまじないして。」 時間を置いて、ちっちゃなキスを3回してくれる。わたしはひとつ返す。あの人はくすっと笑った。もうずっとずっと前に、熱出して心細くてわたしが「キスして」って言ったときみたいに。 ー デートの日の、仕事に行くまえの電話。 裏切りって何だろう。わたしのことはあの人にとって、彼女への裏切り? でも彼女のことは、あの人のわたしへの裏切りにはならない。 わたしはあの人を裏切った? それとも、 わたしはあの人のものじゃないんだもの、あの人への裏切りになる理由がない? わたしはあの人を裏切ることさえ出来ない? ーそんな関係。 こころがどんなにあの人のものでも、あの人のわたしはどこまでも宙ぶらりん。 こころは、絶対にあの人のものなのに。 ずっとあの人のこと考えてた。 あの人は彼女を抱く時、わたしのことを思い出すことすらきっとないのに。 だけどあの人に秘密が出来た。 絶対に絶対に言っちゃいけない。 言ったらあの人は悲しむ。 怒るって言ってたけど、それより悲しむ。 悲しみながら、きっと「しょうがない」って言う。 悲しい声で、「僕にだって彼女がいるんだから」って言う。 悲しませたくないから、言っちゃいけない。 でも、言わなくても、悲しませることした。 ハンサムなドクターさんに食べられたらいけませんよ! 本当に、それだけはダメです。彼が可哀想です。 自分は、彼の気持ちが良くわかります。 angel さんの事がとっても心配だと思う。 自分も彼女を新しい彼に食べられちゃったときは 本当に....本当に苦しかった。だから... angel さんが苦しいのもわかるけど。 それだけは、絶対に.... angel さん、辛いけど頑張ってね 食べられちゃうと、後できっと後悔するからね..... 電話を切ってから、届いてたメールを見つけた。日記を読んでくれてる人。 行く前に読めて、よかったって思ってたのに。嬉しかったのに。感謝したのに。 今もう一度読んだら、涙が出た。 秘密にしていれば大丈夫? わたしは後悔する? 声が聞きたい。 大好きよ。大好きだよ。あなたのことだけが、大好きなの。 -
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