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猫アレルギー - 2001年09月22日(土) あの人が自分ちの犬の話をしてくれる。 去年の夏、飼い始めた犬。 わたしは会ったことがない。 会ったことないけど、会ったことあるみたいにいっぱい話を聞いてる。 ずっと会いたいと思ってる。 クリスマスにも、バレンタインデーにも、イースターにも、 きれいに型抜きして作られた犬用のクッキーを送ってあげた。 あの人がその子の話をするたびに、 かわいくてかわいくて、嬉しくて仕方ない。 その子のクセをきくたびに、 うちの子もそうだったんだよ、って死んじゃった犬のことを話してあげる。 日本から連れてって、前のところで一緒に住んでたあの子のこと。 まだ会ったことないのに、夢にも出てきた。 「写真送るよ」って言いながら、まだ送ってくれなくて、 どんな子なのか想像でしかわからないのに。 チロに会いたいな。 「あたし、もうチロには会えないの?」。 昨日そう言ったら、あの人は「どうかな」って笑った。 悲しかった。会えないんだね。 日本にわたしが行ったって、やっぱりあなたにも会えないんだね。 そういうことだよね。 結婚するとき、チロも連れて行くの? 猫たちはお母さんが大事にしてるから連れてかないってわかる。 だけど、チロはあの人の犬だから。 ねえ、チロを連れてくの? ずっと聞きたいけど、聞けないでいる。 この間、ドクターがタクシーのなかで聞いた。 「もしも僕たちが結婚するとしたら、きみは猫たちどうする?」。 ドクターは犬が大好きだけど、猫アレルギー。 やっぱり猫アレルギーの友だちが、猫飼ってる彼女と結婚したとき、 彼女は猫をどうしても置いてけなかったらしい。 友だちはひどいアレルギーに毎日悩まされて大変だっていう。 「ひどい女だよな」って言うから、「でも気持ちわかる」ってわたしは言う。 「きみは猫たち、置いてける?」 どうせドクターと結婚なんてあり得ないんだから、 わたしは置いてくって答えてあげる。 そんなことほんとは出来っこないじゃん。 チビたちはわたしのかわいい子どもたちだよ。 置いてくところも預けるところも、あるわけない。 ドクターと結婚するわけないって思いながら、 「でも犬は飼ってね。それならいいでしょ?」って言う。 「犬ならいいよ」ってドクターは答える。 10ヶ月だけの、半分だけのガールフレンドなのに、 そんなこと聞かないでよ。 空想しちゃうじゃん、一緒に暮らしてる生活。 でもだめ。そこにチビたちがいないなんて。 わたし、チビたちとチロとあなたと一緒に暮らしたい。 いつかね。 いつか、遠い遠い、いつか。 だからそれまで、彼女とチロと3人で暮らさないで。 わたしが会ったことない大好きなチロを、彼女のところに連れてかないで。 猫アレルギーは、どうして治らないの? ドクターでしょ? 治療法見つけてよ。 -
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