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胸がひりひりする - 2001年09月23日(日) お掃除した。 キッチンの床まで洗った。 バスルームもピカピカにした。 結局ドクターから電話はなくて、ピックアップにも行かなかった。あの人が10時頃に電話をくれた。「いてくれたんだ。どこにも行かなかったの? ひょっとして、僕のためにうちにいてくれた?」。「そうだよ」ってわたしは答えた。 10月にアメリカにレコーディングに来るはずだった仕事はあの事件のためにキャンセルになった。反対側だからどうせ会えなかったけど、アメリカにまた来てくれるだけで嬉しかったのにな。 あの人のコンピューターは例のウィルスにやられたらしい。NIMDA virus のこと? 違うのかな。だから今はメールも出来ない。「電話短くする分、メールいっぱい送るからね」って言ってくれてたのに。 何にも上手く行かないんだ。 短い電話は、ただそれだけで淋しい。電話が繋がってるってだけで、近くにいるふり自分に出来るのに。言葉が途切れたって、あの人のまわりの気配を感じて幸せでいられるのに。「ケンカ」したって、叱られたって、泣いてたって、あの人の声と息が届く唯一の時間なのに。 「うちにいるかどうかわかんない」なんて昨日言ったくせに、何言ってんだろ、わたし。でもね、やっぱりあなたは特別なの。ほんとに特別なの。こんな特別、ほかにはないよ。 「今日、どこに出かける予定だったの?」ってあの人は聞いた。 「デート」。短い電話が悲しくて、言ってやった。あの人のせいじゃないのはわかってるけど。 「誰と?」 「・・・。」 「ねえ、誰と?」 「・・・。」 「あー、ドクターか。」 「うん。・・・でも行かなかったでしょ?」。 あの人は思ってもいなかったみたいだった。わたしがまたドクターとデートだなんて。 明日の朝、起こしてって言った。わたしの今日の夜。時間になって電話したけど、もう携帯は切られてた。時間、間違えちゃったんだ。あの人はきっと、わたしはドクターと会ってると思ってる。出かけるかもしれないなんて、また言ったから。 胸が痛い。でも言っちゃいけない。悲しませたくない。それでいいんだよね? それにわたし、ドクターとステディな関係ってわけじゃない。たとえ言いたくても言いようがない。 ドクターは電話もくれない。かけてもいない。メールも来ない。 こんな気持ちになるはずじゃなかった。淋しいよ。淋しい。 「これから何するの?」 「お風呂に入る。」 「じゃあ、僕も入るよ。一緒に入ろ?」 ひとりで入ったあわあわのお風呂。 ちょっとだけドキドキして、とても悲しかった。 お部屋がうんときれいになったから、 あなたに遊びにきて欲しいよ。 今、胸がひりひりしてる。 忘れかけてたあの痛み。 -
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