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Beauty Sleep - 2001年10月05日(金) 今日は早く寝よう。 いっぱい眠ろう。 くたびれた顔見せなくていいように。 早起きしてバスタブにつかろう。 からだを磨こう。 綺麗にしよう。 おしゃれもしよう。 また2週間離れてる間に忘れないでいてくれるように。 ずっと思い出してくれるように。 「きみはこれから何するの?」 「わかんない。」 「わかんないの? じゃあね、ビージーズでも聴いて。」 「なんでなんで?」 「いや、また最近好きになって聴いてるからさ。」 「『若葉の頃』が好き。ファースト・オブ・メイ。」 「どれだっけ?」 そう言ってあの人が口ずさむ。 「違うよ、それは『愛はきらめきの中に』じゃん。」 「そっか。じゃあどういうのだっけ?」 今度はわたしが口ずさむ。 途中からあの人も口ずさむ。 全然別のところで、全く時を隔てて、出会って好きになったおんなじ音楽があって、「一緒だね」って笑った思い出に、またひとつ思い出が増える。 おじいちゃんは今日だけの一時退院が出来て、家族でお食事するって言った。 安心してたあの人。「大丈夫だよ。きみが大丈夫って言ってくれたから。大丈夫なんでしょ?」「そうだよ。大丈夫よ」。 僕にわけを聞かないで。 ただ時が過ぎて行って、 誰かが遠くから奪いにやって来た。 きみはもう僕に時間を聞かない。 でも僕たちの愛は決して死なない。 僕はひとつひとつ思い出す。 きみの頬にキスした日を。 きみが僕のものだった日を。 ただ時が過ぎて行って、 誰かが遠くから奪いにやって来た。 きみはもう僕に時間を聞かない。 でも僕たちの愛は決して死なない。 こんなにこんなに大事なのに、わたしは別の人のところに行く。 そう思ってから、遠いいつかのあの人の言葉が聞こえた。 「こんなにきみが好きなのに、僕は別の人と結婚しようとしてる。」 早く寝よう。 「美しくいるために早く寝なさい」。 ドクターが笑ってジョークにした言葉を、ドクターのために実践する。 -
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