天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

もうすぐ元に戻る - 2001年10月14日(日)

電話かけちゃった。ブラジルに。
今日はメールが来てなくて心配した。
帰るなんて昨日書いてたから、もしかしたらもうブラジル発っちゃったのかな、とか、世界一安全だなんて言ってて、なんかあったのかな、とか、イロイロ心配してしまった。

ホテルの人にドクターの名前を言って繋いでもらうようにお願いしたら、「ああ、2号室の人ね」って言った。まだいるんだ。そう思ったらもうそれだけで切りたくなったけど、電話なんかして平気かなって思いながら、待ってた。

ドクターは元気そうだった。
でもやっぱり予定より早く帰ってくるみたいだ。「2号室の人」って言ってたくせに、ホテルの人は間違えてほかのお部屋に繋げちゃって、人のお部屋でドクターは話してた。マンガみたいなホテルだなあって思った。

嬉しかった、声聞けて。
「どうしたの?」ってびっくりして聞くから、「今日メールが来なかったからどうしたのかなと思った」って言った。しょうがないコだと思っただろうな。ちょっとバカしちゃったかな。でもドクターの声だって、嬉しそうだったよ。ほんのちょっとだけ話して切った。人のお部屋だものね。「気をつけてね」って言ったら、あの優しい優しい言い方で、「きみも気をつけて」って言ってくれた。明日からナントカって島に行くのかどうか、聞き忘れた。


今朝、鳴り出した目覚まし時計の音を止めてまたうとうと眠りに戻りかけてたら、あの人からの電話が鳴った。今日も短かかった。でもわたしは寝ぼけてなかった。コレクトコールしてって言ったけど、あの人は公衆電話からコレクトコールする方法がわかんないって言った。説明する時間がもったいないから、しょうがないかって諦める。

あの人はちゃんとニュースを知ってた。こっちの人がとても神経質になってるって言ってた。帰りの飛行機大丈夫かな、なんて、バカなこと言う。「いつ日本に帰るの?」って聞いたら、「あさって」って答えた。それじゃあわかんない。電話をくれたのはあの人の夜中で、そのあさってっていつ? 明日のこと? またちゃんと聞かなかった。

わたしって、ほんとぼーっとしてるんだ。大事なこと、全部聞き忘れる。

あの人の声を聞くと、わたしはとろける。愛おしくてとろける。昨日あんなに怖くって心細かったのに、あの人の声を聞いて、体中の細胞がライトアップされたみたいになった。それから光がきらきら点滅しながら、あたたかさと一緒にこころに染み込んでいった。そしてわたしをとろかせた。あの娘が笑ったときみたいに。あの娘が駆け寄って来たときみたいに。あの娘を抱きしめたときみたいに。


ドクターがもうすぐ帰ってくる。あの人がもうすぐ日本に帰る。あの人がここにいてドクターがここにいなかった一週間。なんだかすごい偶然だなって思う。深い意味があったのかなって思う。わたしの中で何か大事なことが起こったのかもしれないって思う。きっとわたし、見落としてるんだ。気がついてないんだ。ぼーっとしてるから。


さっき窓辺に立って外を見てたら、赤ちゃんを抱っこしたお母さんと荷物を抱えたお父さんが、アパートに帰って来るのが見えた。かわいい赤ちゃんを抱いたあの人の彼女と、その隣りにいるあの人を、ちょっとだけ想像した。自分の過去も思い出した。わたしの将来はどうなってるのかなあって思った。



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