天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

a bad girl on a bad day - 2001年10月21日(日)

bad day だった。
靴磨きしようとしたら、液体のワックスがなかなか出て来ない。プラスティックの容器を思いっきり絞ったとたんに一気にどぼっと溢れ出て、カーペットがまっ黒の液体ワックスまみれ。ジンジャーエールを飲みながら、持って帰って来た仕事をしてたら、置いた缶が倒れて机の上が洪水になって、大事な書類がびしょびしょ。チビたちのごはんを買いに行ったら、帰りに寄ったドラッグストアの駐車場で、エンジンにキーをつけたままロック。AAA を呼んだのはいいけど、2時間近く待たされる。震えながら待ってる間に、誰かが捨てたチューインガムを知らずに踏んづけた。履き慣らそうと思って履いて行ったブランニューの靴・・・。

ついてない一日。ドクターからも電話はない。夜になって、あの人に約束のモーニングコールする。まだ鼻声だったけど、風邪は少しよくなってるみたいだった。「のど痛いから、ちょっとうがいしてきていい?」。そう言って電話を置いたまま、あの人はなかなか戻って来ない。10分くらいバカみたいに待ってた。もしかして、切れちゃってるのかな。そういうことがたまにある。そう思って受話器を置いた途端に電話がなった。「もしもし?」。もー長いうがいなんだからあ、わざとそう言ってやろう思ったら、反応がない。しばらくして、「Hello?」。ドクターの声だった。

「今、何て言ったの?」
「ごめん。日本語しゃべっちゃった。」
「誰か日本から電話かけて来たと思ったの?」
「ううん。そういうわけじゃないんだけど。ごめん。」
慌ててそう言って笑った。

あの人の電話がものすごく気になったけど、ドクターの電話が嬉しかった。あの人はまだもう少しうちにいる。またすぐに話せる。

「いつ帰って来たの?」
「今日。朝電話したんだよ。ずっと話し中だった。」
あの人と電話してた時だ。してくれたんだ。わたしも何度か電話した。でもドクターはいなかった。日曜日だからもう帰ってるだろうなって思ったけど、いないのは誰かと出かけてるからだと思ってた。ずっとうちでフットボール見てたよってドクターは言った。「あたしも3回くらい、かけたんだよ」「なんでメッセージ、残さなかったのさ? ずーっと部屋に閉じこもってたわけじゃないんだから、いなかった時間もあったよ」。

ほんとについてない。かけてくれた時はわたしが話し中で、かけた時はドクターがちょっと部屋を出てた時? ちゃんと話せてたら会えたんだ。

予定を切り上げて早く帰ってくるってのはやめて、結局ドクターは予定通りブラジルにいた。よかった。せっかくの休暇だもの。ずっと心配はしてたけど、楽しかったって言ってた。早く帰って来なくてよかった、ってほんとに思った。嬉しかった。

「あの公園に行きたいな。きっとものすごく綺麗だよ、今」。そう言ったけど、ドクターは今度の土日は仕事で、わたしは3週間後まで平日のお休みはない。またずっと会えないのかな。色の変わった葉っぱが全部落ちてしまう前に、一緒に行きたい。

ドクターは言った。わたしに電話するとき、話し中がすごく多いって。「長い時間?」「そう。何度もかけるけど、ずっと話し中」。あの人との電話といつも重なってるんだ。なんで? 「コールウェイティングにしてないの?」って言われて、つけようかなと思った。

1時間近く話しちゃった。それでもあの人はまだうちにいるってわかってた。切ってから、すぐにあの人にかける。誰かから電話だったの? 誰? 誰さ? ダンナ? 怒んないから言ってごらんよ。言わなかったら怒る。

「またドクターかあ。ドクターと話すのはいいけどさ、それよりものすごく心配したんだよ。電話持ったまま倒れたんじゃないかとか。」
「ごめんね。・・・ドクターと話すのは怒んないの?」
「怒らなくはないけどさ。いや、やっぱり怒る。」

ごめんね。ごめんね。

明日は休みだから、明日たくさん話そってあの人は言った。「朝起こしてくれる? あ、やっぱり僕がかけるよ」「なんで? あー仕返ししようと思ってるんだ。あたしのこと待たせて」「ふふん」「ふふんって何よ。仕返しするの?」「だって僕はめちゃくちゃ心配したんだからね。きみがどうかなっちゃったんだって」「あたしだって、いっつもあなたのこと、そんなふうに心配してるんだよ」「ホントに?」。ほんとだよ。


「なんとか今週会えるように考えるよ」って切る前にドクターは言った。

「あなたが帰って来て嬉しい。」
「僕も帰って来て嬉しいよ。」


どうしよう。このままじゃ、わたしは bad girl。




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