天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

大好きだったよ - 2001年11月03日(土)

終わっちゃった。
電話したら、ドクターは約束通りうちにいてくれた。
わたしは全部話した。
全部正直に話したことに、何の意味もなかった。

もう気持ちは変わらないって言われた。
ただの友だちでいようって、また言われた。
だけど今すぐには、なれないって言われた。

会いたいって言ったけど、会わないって言われた。
もう会いたくないの? って聞いたら、会いたくないって言われた。

あの日は「会うよ。約束するよ」って言ってくれたのに、
もう会いたくなくなった一番の理由は、
昨日わたしが押しかけたことだった。

まるでストーカーだって言われちゃった。
「何してたんだよ。何だったんだよ、あれは」って。
不健康って言われた。

そう言えば、あの日、あげたハロウィーンのカードを破ったときも、
呆然としてわたしのこと見てた。

そんなサイコっぽい態度に我慢出来なくなったんだ。
当たり前だよね。誰だってそうだ。

自分からよけいめちゃめちゃにしちゃった。

「不健康」なんて、なんて的確な言葉だろ。
わたしったら、やっぱりオカシイんだよね。

こんな関係は普通じゃないって言ったのは、
ドクターがわたしの歳を知らなかったからより、
わたしが結婚を隠してたからより、

「結婚してたこと」だった。
それはそういう状況そのものっていうより、
そこに背負ってるもののことだったんだ。
「だってもう、事実上は結婚してないんだよ」ってわたしは言ったけど、
そういう問題じゃないんだ。

変なややこしい経験があって、
そういうのを忘れたくて、
だから違う自分でいたかったから
何も言えなかったなんて、

おまけに、
好きな人がほかの人と結婚することになって
それが悲しくてどうしようもなくて、

それで、あなたと会えて、あなたといてとても楽しくて幸せだった、なんて、

そんなこと聞かされて、
よけいに重たくなっただろうなって思う。

ごめんね。
ほんとにごめんね。
そんなもの全部ひっくるめて好きになるなんて、
簡単なことじゃないよね。

わたし、泣かなかった。
だけど、重くて、クラーかったかもしれない。
「もう話すことは何もない」って言われた。

名前を呼んだら「なに?」って返事してくれる言い方も、
わたしの大好きだった「わかった?」も、
そのままだった。

そんな声をまだ聞いていたくて、
「待って、まだ切らないで」なんてしつこく言うわたしに、
ドクターは言った。

「僕は自分と同じくらいの年齢の子とつき合いたい」って。
それから「もう切るよ。グッバイ」って、プチって切られちゃった。

今日ほど、自分が若く見えることをみじめに思ったことはなかった。
今日ほど、自分の年齢の数字をのろわしく思ったことはなかった。

だけど、ドクターがそう言ったホントの意味は、
数字だけにあるんじゃなくて、
ただ、本当に、そんなめんどくさいもの何も背負ってない、
まるごと明るくて無邪気で楽しくて幸せで、
恋の経験も自分と対等な、
普通の相手が欲しいってことだったんだと思う。

そう、ドクターは、にせもののそんなわたしを信じて好きでいてくれたんだもの。

はじめっからさ、ちゃんと歳言って、
結婚してるんだよ、でも別居中なの、って明るく言えれば違ったのかな。
ダメ。そんなことまた考えたって、しょうがない。

もう、後悔ばっかり。

でも、もう終わっちゃった。
わたしがバカだった。
正直になれないわたしがバカだった。
こんなところまで来て、今さらのように何もかも言ったわたしがバカだった。
もう遅すぎた。

全部ひっくるめて、
ありのままのわたしを好きになれないのは、
ドクターの非じゃない。

せっかく大事にしてくれてた関係、
最後の最後までめちゃくちゃにしたのはわたし。


ひとつだけ、お願いしてもいい?

わたしと過ごした3ヶ月を、
いつか、うんといい思い出にして欲しい。
こんなわたしに嫌気がさして、
今は誰かに「参ったよ」なんて話したとしても、
いつか思って。「素敵な子だったな。楽しかったな」って。

「おんなじくらいの歳だったらよかったのにさ」って。


ごめんね。ありがとうね。
大好きだったよ。

素敵だったよ、ほんとに。

Kenny, I loved you.



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