3日遅れのプレゼント - 2001年12月27日(木) あの人はやっぱり天使だった。 こんなにまた想いが膨らむ。 あれからまた電話がなくて、ずっと悲しくて心配で不安だった。 さっき、ずっとずっと待ちわびてた電話がかかって来た。 声を聞いたら拗ねてやろうと思ってたのに、 もうわたしのこころは暖かく暖かく包まれて、 声が聞けないって淋しがってたわたしはなんてちっぽけなんだろうって思った。 「真面目な話、していい?」って言って、クリスマスの間ずっと考えてたことを話してくれた。 あの9月11日の出来事を、あの人は忘れてなかった。 愛する恋人を亡くした人たち。大切な家族を亡くした人たち。かけがえのない親を亡くした子どもたち。笑えなくなったクリスマス。笑えないで送る年。笑えないまま迎える新しい年。 クリスマスの夜、体を壊したまま、それでもそんな思いを拭えなくて、悲しみに暮れる人たちのために曲を作ったって言った。クリスマスプレゼントをもらっても笑顔になれない人たちのことをアメリカのニュースで知って、ますます何かしなきゃって思ったって。日本中がクリスマスで溢れてて、きっとみんなもうとっくに忘れてるんだろうなと思うと、クリスマスが悲しくなったって。そして仲間たちと計画したことを話してくれた。 「偽善じゃないんだよ。上手く言えないけど、どうしても何かしたいと思った。何かしてあげたいって思う人は日本にもたくさんいたと思う。したくても出来ないって思う人がたくさんいたと思う。でもほんとにしなくちゃ意味がないと思った。こんな時期だからこそ、よけいにそう思った。ちっぽけなことだけど、どうしても何かしたかった。偽善じゃなくて、何て言うのかなあ、上手く言えないけど・・・」 わかるよ。わかる。わたし、わかる。あなたのこころ。あなたはそういう人だって、ちゃんとわかってる。あなたへのクリスマスプレゼントに、あの September 11th の CD 送ってよかった。まだ届いてないって言ってたけど、あなたならわかってくれると思ってた。 嬉しかった。暖かい人。人の痛みがわかる人。 やっぱりわたしはあなたをこんなに誇りに思うよ。 誰にもわかんなくたって、わたしにはわかる。 天使の微笑みがわたしの胸に届いたよ。 3日遅れの素敵なプレゼント。 「あたしね、クリスマス彼女と過ごしてあんまり楽しかったから、もうあたしのことなんかどうでもよくなったんだって思ってた。」 「違うよ。寝込んでたんだよ。何度も電話したけど時間合わなくて、きみがいないときばっかりだった。」 ごめんね。「バカ」って思ってた。 今日の夕方のラッシュ時に、ミッドタウンの人込みでバンがバスに突っ込む衝突事故があったらしい。また6人の人が亡くなった。悲しみが増えてくばかりだね。でもね、優しい人たちもきっと増えて行くよ。そんな世の中になればいいね。 あなたが好きよ。 天使の翼に包まれて、今夜はぐっすり眠れそう。 -
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