天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

雪が降る - 2002年01月07日(月)

この冬初めての雪が降る。
病院の窓から見えたひらひらと舞う白い破片は積もりそうになかったのに、高速を降りたらいきなり雪景色になってた。

向かいのモールの立体駐車場に車を停めた。アパートの駐車場は外だから、明日になると車が雪に埋もれてしまって出せないかもしれないから。去年はそれで大失敗した。雪かきなんかしたことなくて、それでもアパートのオフィスからシャベルを借りて、汗まみれになって体中筋肉痛になって、何時間もかかってやっと車を出せるようになったっていうのに、みんなに自慢げに話しても「それがどうしたの?」。誰だってここじゃあそのくらいするんだ。そういえば、ひとりで悪戦苦闘してるの見ても、誰も手伝ってなんかくれなかった。ここの冬って寒いんだ、雪が積もるの普通なんだ、ってあのとき初めて知った。

「雪降ってるんだよー」って電話するたび、あの人は「いいな、いいな」って言ってた。日本はこの冬雪が多いの? あの人の住んでるとこは、降ってるのかな。


メディカルレコードに日付を入れながら、夫のバースデーだってことに気がついた。今朝、出かける前にチェックしたら、「近日中に離婚届を送ります」ってメールが来てた。


「今は電話で話すと辛くなるから
 電話はできません
 すみません

   :
   :

 ずっと友達で
 親友でいてください
    
   : 
   :

 気持ちが落ち着いたら電話します」


わたしも電話なんか出来ない、今は。バースデーの E カードを送った。ずっと親友でいたいよ。離婚するんだから、ちゃんときれいに別れてしまうのがホントなんだろうな。でも無理するのはもういやだ。何の意味もないと思ってた「紙の上の約束事」は、もうとっくに別の意味を作ってた。それがあったから、こうじゃなきゃいけないとか、ああじゃなきゃいけないとか、こころまでルールに縛られてたんだ。そんなつもりは最初はなかったのにね。いつも自由でいたはずだったのにね。

もう無理するのはやめようね。自然のままで生きようね。無理してふたりで幸せになることやめたんだから、無理にふたりで辛くなることもやめよう。昨日のわたしの予感なんかまるではずれたとしても、友達でいようよね。それが出来なくなったときが来たら、そのときには Let it go 。

「婚姻」ってさ、確かに重たいものだけど、それがそこにあるのが自然な限り、無理してない限り、ちょっとくらい重たくったって Let it be でいいんじゃない? そんなふうにも思うよ。無責任? でも、わたしはいつも結婚にまじめすぎた。一生懸命すぎた。だから結婚が下手なんだよね。


こんなときにあの人の声が聞けない。
声が聞きたいよ。

「雪降ってるんだよー」って言いたい。



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