命日 - 2002年01月11日(金) 白いバラと黄色いバラを買って、写真の前に飾る。 オレンジ色のろうそくに灯をともす。 ラザニアを作った。 クッキーを並べた。 写真のあの娘が、きょとんとした目で少し上を見上げて、首を傾げてる。 大好きな雪を鼻のてっぺんにくっつけて。 あの日も雪が降ってたね。 白い翼と輪っかをもらったあの娘は、白い雪が舞い降りてくる空へひとりで飛び立とうとした。 息を止めたあの娘の顔は笑いながら眠ってるようだった。 「どこにいるの?」って聞いた。「天国に決まってるじゃないか」って夫は泣きながら言ったけど、わたしは知ってる。 あの娘はあれからしばらくわたしたちのところにいてくれた。 泣かないで、泣かないで、泣かないで、って笑いながら、わたしのそばにいてくれた。 ああ、逝っちゃったんだ。もう帰って来ないんだ。 ぼうっとしながらやっとそう思えた日、雲の合間から突然陽が差した。 あの娘が天国に着いたんだって思った。 あれから2年。 まだ2年なんだね。もう何年も経ったみたいな気がするよ。 「ママの人生は幸せなんだよ。苦しいことがあったって、それはちっぽけなこと。ママは幸せな人生を生きてるんだよ。大丈夫だよ。あたしがずっと守っててあげるから」。 ここにひとりで来たときに、言ってくれたね。 信じてるよ。時々迷っちゃうけどね、信じてる。 ママを見守っててね。パパのことも、守ってあげててね。 それから連れて来てくれた天使ね、まだ連れ戻さないでいてね。 大切なお話があるから、これから手紙を書くね。 -
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