招待状 - 2002年01月17日(木) もう日記が書けないと思ってた。 望んでたはずなのに、現実になった途端にひどい孤独を感じてた離婚。 患者さんたちに会う時は忘れてるのに、病院にいるといまだに思い巡らすドクターとの楽しかった日々。 すぐ先の生きてく場所が見えない、法律がからんだ不安。 どんなに想いを伝え合ったって、どんなに電話が素敵だったって、もう二度と会えないかもしれないあの人。 大好きで大好きでこんなに愛は強くて確かなのに、抱え続けなきゃいけない苦しい想い。 誰にも言えない気持ちを綴ったら楽になれたはずだったのに、 こんなに自分をさらけ出して、わたしは底なしバカの恥さらしだって思い始めたら、 もう日記が書けそうになかった。 今日、ボニーから結婚式の招待状が届いた。 わたしの胸の中までいっぱいに、甘い幸せが広がった。 あの人への想いが痛くて、会えないことを忘れたくて、自分を誤魔化すみたいにがむしゃらにインターンを頑張ってた去年の4月。 「自分に自然に、そして、自分にだけは、嘘をつかないこと。自分を『言い聞かせ』てしまうと『すべてが、うまく行くような気がする』。だけれど、自分の中の『良い子』や『強い子』は、頑張りすぎて人生の独裁者になってしまうことがあるんだよ」。 何も知らないはずのKさんから突然届いたメールが、張りつめてた糸を緩めてくれた。 同じ日に届いたボニーからのメール。 「4月13日は、11周年の記念日でした。ディナーのあと、彼が突然プロポーズしてくれました。ぎこちないプロポーズだったけど、嬉しくて嬉しくて、どうしても一番に知らせたかったの。」 ねえ、覚えてる? あなたに電話で話したよね。インターンが苦しい苦しいって言っては励ましてもらってたあの頃。「今日は嬉しいことがふたつあったの。すごく素敵なメールをもらったのとね、もうひとつはボニーが婚約したこと」って。 そのあとすぐだった。あなたが結婚することわたしに告げたのは。 言えなかった自分の結婚の約束のことも言わなきゃって思ったんだよね。そうでしょ? ボニーが結婚するんだよ。プロポーズから一年経つ、12周年の記念日の4月13日に。 嬉しくて、嬉しくて、あなたに言いたいけど、でも今は言わない。 またそのあとすぐに「結婚の日が決まったよ」なんて聞かされちゃう気がして、 怖いから。 行くからね。お祝いしに行くからね。ウエディング姿、見に行くからね。 おめでとう、ボニー。招待状の返事、明日ポストに入れるよ。 帰れる。なつかしいあの街に帰れる。みんなに会える。幸せいっぱいのボニーに会える。 ほんとに、嬉しくて、嬉しくて、嬉しくて、 日記書いてる。 -
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