ボーイフレンド - 2002年01月18日(金) ボニーに電話した。 ボニーの結婚式の話のはずだったのに、わたしの離婚のことも、ドクターとの失恋の話も、全部話してた。離婚のことを心配するボニーにわたしは言った。 「もう悲しくないの。悲しいけどさ、bad sad じゃないんだ。」 話してて、ほんとにそう思えた。 「もう結婚はいいやって思うけどね。あ、ごめん。これから結婚する人にそんなこと言っちゃいけないよね」。 「怖い?」。笑ったあとで、ボニーは聞いた。 「ううん。怖いんじゃない。だって結婚は wonderful だよ。」 ボニーはまたきゃっきゃ笑う。 「ほんとだって。でもね、離婚は awful 。もうたくさん。」 「戻っておいでよ。戻って来て欲しいよ」ってボニーは言う。 「戻れないかもしれないんだもん。」 「また結婚しなよ。今度はここの人と。そしたら戻ってこられるじゃん。」 「じゃあさ、誰か見つけといてよ。good-looking な人ね。身長は最低 5ユ 11モ」。 ドクターのこと思いながら言う。ほんとにわたしったら、ドクターみたいな人がいい、なんて、あれ以来思うようになっちゃった。 「見たかったよー。ドクター。」 「写真取り損ねちゃったんだ、デジタルカメラ持ってった日。ふたりで撮ろうとしたらさ、電池が入ってないの。『行くとき買えばいいや』って思ってて、すっかり忘れてたの。」 もうジョークにして言える。あの日のことも。 「綺麗なとこなんだよ。ほんとにすっごく綺麗なの。」 「ハイハイ。綺麗なとこってのは知ってるよ。」 「違うんだから。そんな程度じゃないんだって。」 いつもわたしはあの街のことを誇らしく話してた。 休暇にどこに行くか決まらなくて、ガイドブック見に本屋さんに一緒に行ったとき、あの街の本を見つけてドクターに見せた。 「見て見て。ここがわたしが住んでたとこ。」 「え? こんなに綺麗なの? すごいじゃん。」 「でしょ? でしょ?」 「知らなかったよ。」 「でしょ? だから言ったじゃん。いつか行って。絶対行ってね。きっと好きになるよ。」 アパートに戻って一緒にシャワーを浴びてるとき、ドクターが言った。 「きみと一緒に行くよ。きみが住んでたとこ。」 「それで、みんなに会わせてあげたいって思ったの、その時。でもなんて紹介したらいいんだろって考えてた。」 「今ならボーイフレンドって言えたのにね、シリアスじゃなくたって。もう歳のことなんか気にしちゃだめだよ。今度は初めから歳言いなよ。2回離婚したことだってさ。あたしが男だったら自慢するよ、アンタみたいなガールフレンドいたら。アンタの歳も離婚も自慢しちゃう。」 気がついたら、3時間も話してた。 あの人から電話がかかってくる時間がとっくに過ぎてた。慌てて携帯にかけた。 「ずーっとかけてたんだよ。誰と話してたの?」 「ふふ。新しい彼。」 「誰? 誰だよ?」 「だから、新しい彼だってば。」 「またそういうこと言う〜。今さ、友だちといるから、またあとでかける。謝ってよ。謝ってもらうからね。ほんとにずーっとかけてたんだからさ。」 「ねえ、キスして。」 友だちといるって言うから、わざと言う。あの人はちっちゃい音でキスした。 「だめ。聞こえなかったよ。もう一回。」 今度はいつもみたいにちゃんとしてくれる。友だちに聞かれた? 友だちは彼女からの電話って思っただろうな。 ボーイフレンドが出来たらね、今度は教えてあげる。今度はあなたみたいに上手にふたりを愛するよ。 -
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