そんな愛し方してない - 2002年01月19日(土) 朝起きたら、ものすごく寒かった。 シャワーを浴びて、コーヒー沸かして、なんとなくきちんとした気分になろうと思って、テーブルの上をきれいにする。 あれから夫が電話をくれた。わかんないことがあるってメールしたまま放っていたから。相談して、今の姓を続けることにした。自分の新しい戸籍の住所は、今夫が住んでるとこにした。どっちもそれが便利だから。「変かな?」「いいよ。どうせ書類上だけのことなんだから」「じゃあ土曜日に出しに行くね」。普通に話せた。友だちになれたかなってちょっと思った。 自分の名前を漢字で書くなんて、一体どのくらいなかっただろう。結構綺麗な字で書けるじゃん、って思いながら、漢字の自分の名前をとても不思議な気分で眺めてた。離婚したときの姓をそのまま使うための届け出っていうのにも記入する。「わかんないとこは僕が書くから空けとけばいいよ」って言ってたから、自分の名前を書くとこだけ書く。それだけでもたくさんあった。 書き終えて、はんこを押して、窓の外を見たら雪が積もってた。 起きたときは降ってなかったのに、いつのまにか降って積もってる。車が出せなくなる前に出かけなきゃって、急いで用意をする。 FedEx のオフィスで宛先を書いて、封筒を渡して、お金を払って、「いつ届きますか?」なんて事務的に聞いて、ドアを開ける。バイバイ離婚届。バイバイ結婚。バイバイもやもや気分。無理してるかな。してないよね。もう平気だよね。 帰ってからあの人に電話したら、うちで探し物して焦ってた。仕事で使う、昔作った自分の曲のデモ CD が見つかんないらしい。 「いいよ。探しながら話すから。」 「いいの? ねえ、今すごい雪降ってるんだよ。」 「いいじゃん、いいじゃん。あれ〜? どこ行ったんだろ。」 「すっごい寒いの。」 「かわいそー。おっかしいなあ。ないんだよ。」 「寒いよー。」 「何度くらい? もうずっと朝から探してるのにさー。」 「マイナス10度だって。」 「へえ。あーなんか古い CD いっぱい出てきたよ。え? マイナス10度?」 完ぺきうわの空。声の向こうで色んな音がしてる。必死で探し物してる気配。黙って気配をさぐってたら、「ごめん。怒った? 怒ってるの?」。 怒ってなんかいないよ。あなたがそこにいる気配だけで嬉しい。電話の向こうにあなたを感じられるだけでいい。あなたの気配が好き。こんな愛し方、あなたにしか出来ない。 わかってないなあ。あなたのこと怒るなんて、そんな愛し方してないんだよ。 -
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