天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

ダブルベッドの右側 - 2002年01月26日(土)

お休みの昨日は、一日中電話かけるのに追われてた。

うーんと引っ張りあげられたと思ってたら、思いっきり落とされてしまった昨日。
また難問が出て来てしまった。もうあの弁護士さんには頼めない。
あちこち電話をかけまくったけど、まるでシティ中の弁護士さんが集まるミーティングでもあるかのように、午後からはどこにかけても誰もいない。


前に住んでたところの、弁護士の友だちの電話番号を探す。
もう7、8年、会ってないし話もしてない。古いアドレス帳をかき集めて、電話番号を探す。あちこちかけまくって、探り当てた弁護士オフィス。夕方、裁判から帰ってきたリックとやっと話が出来た。

なつかしくて、仕事中なのに近況を報告しあう。リックは4年前に離婚してた。
「でもナンシーとは今でもいい友だちなんでしょ?」「う〜ん。努力はしてる」。
あの頃、よく4人で一緒に出かけたのに、もう4人で会うことなんかないんだなあって不思議に思った。

リックに聞いて、わたしはあの街に戻れるってことがわかった。ちょっとトリッキーだけど、弁護士のリックが言うんだから間違いないよね。こっちのことがまたあやふやになって落ち込んでたから、それで少し安心した。

あの街に戻れる。ここで仕事が出来なくなったら、戻るしかない。もうなるようになれ、だ。また半年先のことがわかんなくなったけど、ほんとはもう決まってるんだろうな。運命論者ってわけじゃないけど、先のことなんてもう全部決まってるって、そう思う。もう決まってることに向かって、人は悩んだり努力したり希望を失ったり追っかけたり苦しんだりするんだ。そうすることも、決まってるんだ。


今日は週末出勤だった。こんなに忙しい週末は初めてってくらい、忙しかった。
疲れ果てて、うちに帰るなりベッドに倒れ込む。

こういうときにさえ、倒れ込むのはダブルベッドの左側。右側はずっとあの人のために空けている。バカなんだ。ここに来たときから、あの人が来てくれるときのために、お部屋もうんと素敵にして、あの人に似合いそうな色のあの人用のバスタオルも買って、ベッドの右側を空けて、「会いに行くからね」って言ってくれた言葉ずっと待ち続けてた。

眠るときは右側を向いてあの人に抱きついて眠るふりをする。ときどき左側を向いて眠って、背中から抱きしめてくれてるふりをする。


7月になったら、このアパートを引っ越す。リースが終わっちゃうから。もう更新は出来ない。これ以上家賃が値上がりしたらやってけないし、あの街に帰ることになるかもしれないし。
「だから、7月までに来てくれないんだったら、ダブルベッドの右側はほかの誰かのものだからね。バスタオルだって、その人に使わせちゃうんだからね。」

「ほかの男に使わせないでよー。なんとかするから。」
うそばっかり。絶対来られっこない。
7月が来たら、ちょうど2年が経つんだよ。初めからわかってたら、こんなに苦しんで待たずにすんだのに。それでもまだ待っちゃうのかな、わたし。ダブルベッドの右側にあの人を。それで、あの人が来てくれるときのこといっぱい空想しながら待ち続けたこのアパートと、バイバイしなきゃいけないんだ。約束叶わないまま。

そうなることに決まってるの? それからそのあと、わたしはどこに引っ越すの? この街のどこか? あの街に戻るの? 

ちょっとだけ教えてくれたっていいのに。あの娘は知ってるんだろうな。でも教えてくれないよね。




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