歩いてるだけで - 2002年02月22日(金) そうか。 悲しみが麻痺しちゃってるのか。 なんで悲しくないんだろうって不思議だった。 そうかもしれない。 なんでこんなふうに生きてるんだろうって思ってる、今。 ここでいったい何してるんだろうって。 今までにも何回もそう思ったよ。 でもいつもみたいに胸がキリキリ痛いんじゃなくて、 からだごと、ぼわ〜んとしてて。 うん。虚ろっていうのかもしれない。 あの娘が死んだときに似てる。 違うのは、「もういないんだ」って思えないこと。 このままいなくなっちゃったって平気だよって 昨日思ったんだ。 いなくなったのかもしれないって ほんとに思ったんだ。 なのにそのあと やっぱりあの人はちゃんといて、 どうやったって、あの人はそこにいて、 遠くても遠くても、ほかの人のものでも、そこにいて、 それがわかって、 ああ、いてくれてよかったって思った次の瞬間、 なんであの人がいるんだろうって、 なんのためにいるんだろうって、 なんでわたしたちはこんなことしてるんだろうって、 でもそう思っても悲しくない自分がいたの。 ねえ、教えて。 それでもあの人が好きなのは、自分を苦しめてるだけなの? 悲しみが麻痺するほど、誰がわたしを苦しめてるの? おかしいって思うでしょ? 天使だなんてね。 だけどそれはね、 恋人を愛するみたいじゃなくて、 ただただ愛おしくて、愛おしくて愛おしくて、 天国に行ったあの娘を思うみたいに、守っていたくて抱き締めていたくて、 幸せでいてほしいって、ただそれだけを願ってて、 大切で大切で大切で、大切で、 そんなふうに愛せるのは、あの人が天使だからだって、真面目に思ったの。 死んだように生きてたあの頃、わたしを救いに舞い降りて来てくれた天使だったの。 あの娘が連れてきてくれた天使だって、ほんとにそう思ったの。 人を愛するっていうより、初めからほんとにそんなふうにあの人を愛したの。 そんなふうにだけ、愛してたの。 ああ、わたし、わかってるんだった。思い出した。 ちゃんと前みたいに、天使のあの人だけ好きでいればいいんだ。 そうだね。取り戻せばいいんだよね。 天使だけを愛する気持ち。 そして、ほかの誰かを恋人を愛するように普通に愛せばいいんだよね。 ドクターのときみたいに、あの人を重ねたりしないで。 そう出来るようになれば、 歩いてるだけで思わず微笑んでしまうような日々が来る? 今はね、ほかの誰かを愛するなんて出来ないけど。 だって、そんな人現れてくれないんだもん。 でも、きっと誰かのそばにいられるときが来るよね。 ずっと悲しいはずないよね。 大丈夫だよ。まだ悲しみは麻痺してるみたい。 せめて試験が終わるまで、このまま麻痺しててくれなきゃ困るんだ。 なんでこんなふうに生きてるんだろうって、それはもう考えないようにする。 ありがとう。心配してくれて。 素敵な言葉をくれた彼にも。ほんとに、ありがとう。 こんなわたしのこと笑わないでいてくれたなんて、最高にいい人じゃん。ね。 放しちゃだめだよ。わかってる? 歩いてるだけで思わず微笑んでしまうような日々をくれた人だよ? -
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