花が蜜蜂を愛するような - 2002年02月24日(日) 「花が蜜蜂を愛するような、本物の愛なのに」 蜜蜂が花を愛するんだと思ってた。 違ったんだ。 あちこち飛び回る蜜蜂を花はじっと待ってる。 美しく咲きながら待ってる。 強い愛だなあって思った。 本物の愛ってのはわかんないけど。 だって、愛はどんな愛でも本物じゃない? 本物じゃない愛なんて、あるんだろうか。 わたしが花で、あの人が蜜蜂だと思ってた。 美しいかどうかは別として。 それも違うんだ。 あの人が花だった。 わたし知らなかった。 あの人ったら仕事のことで悩んでて、精神安定剤飲んでるなんて。 仕事の悩みは話してくれてたけど、 わたしが心配しないようにって、薬のこと言わなかったんだね。 倒れちゃったとき、あんまり心配して泣いたりしたような子どもだから。 最近あの人のこころが届かない気がしてたのは、 そこまで重たい不安を抱えながら、わたしに言えないからだったんだ。 ごめんね。 わたしったら、 何も察してあげなくて、別の言葉ばかり待ってた。 大丈夫なのに。 あなたなら出来るのに。 わたし、なんにも心配してないのに、あなたの仕事のこと。 わたしが安心させてあげる。 フラフラ飛び回らないで、 あなたのところにとまってる。 居心地のいい花びらに頬ずりして、 優しい吐息を聞かせてあげる。 安心して静かに花びらを閉じられるように、 ずっと見つめていてあげる。 眠れない夜ごとわたしをその花びらで包み込んで。 眠れない夜が消えるまで、あなたの中にいる。 眠れない夜はわたしが消してあげる。 出来るんだよ、離れていても。 わたしには出来るの。 わかってるでしょう? でもね、あの歌、知ってる? 蜜蜂は誰かほかの人のところに行っちゃうんだよ。 「きみは手放せるの? 花が蜜蜂を愛するような、本物の愛なのに」 「それでも僕ならきみとこの愛を続けられる 狂ってる? きみもおんなじふうに感じてるくせに きみはそんな苦しさに立ち向かえない そして行ってしまう to someone else not me 」 わたしなら、放さないよ。 たとえいつか誰かのところに行くことがあったとしても。 あなたはわたしじゃない誰かのところにもうすぐ行ってしまうけど。 狂ってるなら、ふたりして狂ってるよね。 でも、どんな愛も本物で、本物じゃない愛なんてないから。 そう教えてくれたのはあなただよ。 あの人の愛は、花が蜜蜂を愛するように強くて大きい。 今またわたしはその愛に吸い込まれて行く。 あの人がわたしを必要としてるから。 苦しくてもいい。 苦しくなんかない。 あの人の今の苦しみに比べたら、そんなの何でもない。 -
|
|