精神分析医 - 2002年03月12日(火) 自分のことしか考えてないって言われた。 電話の約束破られてばかりいて、淋しくてこっちからかけて、「ごめん。今まだ仕事中だから」とか「帰ったらかけるよ」「明日の朝かけるよ」とか言われて、それでもかかって来なくて、「なんでかけてくれなかったの?」って電話しまくってたら。 「僕がほんとに忙しくて寝る時間もなくて体調崩しっぱなしで、それでも空いてる時間は全部きみに電話してるのに、きみはわかってない」って言われた。 「空いてる時間って何? 仕事がなくて彼女にも会わなくて彼女に電話もしない時間?」 って言ったら、切られちゃった。 そういうことするの大嫌いなくせに大嫌いなそういうことしちゃうくらい、怒らせた。切られたからまたかけたら、「どうしたの?」って冷静に言われた。「なんで切ったの?」ってわかってるのに聞いて、「彼女のことなんか言うから。僕はきみと話がしたくて、時間見つけて電話かけてるのに。彼女となんかもうずうーっと会ってないよ」って言われた。 会ってなくたって、愛してて結婚するんじゃん。 なんかもう、あの頃のぐじゃぐじゃにまた戻っちゃった。 こういうときにまた、言い寄ってくる男がいる。 言い寄るなんて言い方、悪いか。 精神分析医のドクター。 ものすごい話が弾んで楽しいんだけど、違う。 全然気使わずに話せて自然でいられるけど、違う。 「仕事終わったらペイジしてよ。コーヒーでも飲みに行こ」って、その人のオーバーナイトの日にペイジャーの番号渡された。 ペイジしなかったら、次の日に「待ってたのに」って言われた。 「ごめんね。くたびれてたし、同僚が一緒だったからそのまま帰ったの」って言ったけど、はじめからペイジする気なかった。 だめなんだってば。ネクタイの柄も結び方もいいけど、シャツが少し大き過ぎるじゃん。パンツの素材もイマイチじゃん。靴はケニス・コールがいいの。身長も5フィート11インチ以下はだめ。わたしの気持ち探るような自信のなさも嫌。あのドクターみたいじゃなくちゃ、だめなのよ。 バカ言ってるよ。わかってるよ。 だけどさ、「外見なんかどうでもいい」ってうそぶくほどオトナぶったコドモじゃない。寂しさ埋めるためだって、好きになることは必須条件なんだから。おしゃれってさ、中身のセンス表すじゃん。ブランド物で固めたり無難に着こなしたりなんて、うちじゃあボーダー柄のTシャツとか着てるんだろうなって思っちゃって、だめ。ナイキの上下の着方にだって驚かせてくれるくらいじゃなくちゃ、好きになれないんだからしょうがない。それにさ、4インチのヒール履いてても背伸びしなきゃ抱きつけないくらいじゃなきゃ、寂しさ埋められないんだからしょうがない。あのドクターがくれたみたいな素敵じゃなくちゃ、だめなんだから、しょうがないんだよ。 「ごめんね。あたしが悪かった。あたしが何にもわかってなかった。自分のことしか考えてなかった」。 そう言ったら、「悪いんじゃないよ。自分でだってほんとは悪いなんて思ってないくせに、そんなこと言わなくていいよ」って言われた。「こんなことでこんなふうになるのはやめようよ。僕はきみが好きだから、電話したいんだから。きみとは楽しい話がしたいんだから」。 そうだよ。悪くないよ、わたし。悪いと思ってないよ、きっと。そうやっていつだってあの人は冷静で正しくてわたしを上手に取りなして。そんなふうになれるのはちゃんと恋人がいて普通にケンカも出来て、だからわたしとは楽しい話だけしていたくて。それが淋しいなんて、わたしが悪いんじゃないよ。 ああ、わけわかんない。 精神分析医のドクター、デートになんか誘わないでよ。病院以外で会いたくない。楽しいだけの友だちでいようよ。 もっと頭がおかしくなったら、わたしを診て。 -
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